浦賀城とは
浦賀城(うらがじょう)は、神奈川県横須賀市東浦賀にある山城(海城)です。
登城口は叶神社 (東叶神社)となり、社殿の裏手から約200段ほどり石段を登ると標高55m地点に城址碑があるようです。
この叶神社(かのうじんじゃ)は1181年に京都・神護寺の僧侶である文覚が、源氏の再興を願って石清水八幡宮を勧請したのが始まりとされます。
源頼朝は願いが叶ったとして、1186年に叶大明神と名付けた模様です。
現在の社殿は幕末の1842年に再建された建物となります。
1860年、咸臨丸での太平洋横断を目指した勝海舟は出航前に東叶神社の井戸にて水垢離をして航海の無事を祈り、裏山の浦賀城跡で断食をしたと伝わります。
浦賀城の最初の築城は戦国時代とされ、小田原城の北条氏康が、安房里見氏への備えとして、三浦水軍を配置し、相模・三崎城の支城にしたとされます。
ただし、1516年、北条早雲かせ三浦道寸の相模・新井城を攻略して三浦氏が滅亡すると、浦賀の海賊衆「浦賀定海賊衆」が玉縄城の北条綱成の配下(玉縄衆)に組み込まれています。
そのため、浦賀城は少なくとも監視場のような役割は、古くから持っていたと考えられます。
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この浦賀城からは東京湾の対岸にある、造海城、上総・金谷城、安房・勝山城などを望むことができ、小舟を漕げば3時間~4時間程度で渡れたようです。
房総の里見水軍もたびたび来襲しており、浦賀城が焼き討ちにあい炎上したともされます。
山角定勝
浦賀城主としては山角定勝の名が見られます。
山角氏は、北条早雲が今川氏のもとに下向した時から従ってついてきた譜代の重臣のようです。
山角定勝(やまかど-さだかつ)は、戦国時代の1529年に山角定次の子として生まれ、はじめは山角刑部左衛門尉、のち山角紀伊守と称しました。
所領は下総・多古だったともされますが、小田原城下に屋敷を構えて北条氏政の側近を務るたほか、北条氏直の代には奉行人・評定衆となっています。
山角定勝の妻は松田康長の娘となります。
1556年10月には里見義堯の嫡男・里見義弘が総大将となって、里見水軍の約80が城ヶ島に上陸しました。
このとき、北条勢は相模・三崎城に清水康英(清水上野介信久)、伊豆水軍の梶原景宗(梶原備前守景宗)、出口五郎左衛門尉(三浦浄心)らを守備させており、浦賀城には山角定勝(山角紀伊守定勝)が配置されました。
また、北条勢として金子兵部少輔、西伊豆・富永氏館(土肥館)の富永政辰(富永三郎左衛門政辰)、江戸城の遠山直景らが援軍として駆けつけ海戦になったとあります。
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このとき、里見勢は、三崎城、新井城を占領して三浦四十郷を一時支配下に収めたともされます。(三崎三浦の戦い)
なお、この里見水軍の脅威に対して、北条水軍は再編されたようで、浦賀定海賊衆の武将として愛洲兵部少輔、高尾修理、小山三郎右衛門らが浦賀城に配置された模様です。
舟方衆は諸役を免除されて、里見水軍の来襲に備えました。
愛洲兵部少輔(あいす-ひょうぶのしょう)は、船大将として浦賀水軍を統轄し、三浦の佐原・御蔵出にて212貫。(132貫500文とも)
1567年9月、里見水軍が三浦に来襲すると、梶原景宗らと菊名浦で迎撃しました。
更には、高禄で召し抱えられた安宅水軍(紀州水軍の安宅紀伊守など)も編入され、家財奉行・大草康盛の差配により、軍船の建造なども行われたようです。
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1571年、山角定勝は相模・足柄城の普請奉行を務めて改修に当たりました。
1590年、豊臣秀吉の小田原攻めの際に、浦賀の三浦水軍は伊豆・下田城に入って籠城や水軍として運用されました。
山角定勝は、北条氏直に従って高野山にのぼり、その後、徳川家康の旗本となって相模国の厚木などで1200石になりました。
浦賀駅近くにあるカフェ・クールクラン・ウラガと言う喫茶店では、浦賀城、怒田城、衣笠城、三崎城の御城印が買えるようです。
また、浦賀り渡し船もありますので、行程に含めてみてはいかがでしょうか?
交通アクセス
京急本線の終点・浦賀駅から徒歩15分程度です。
クルマの場合、叶神社 (東叶神社)の鳥居前と東脇には、神社の駐車場(5台くらい)がありましたので止めさせて頂きました。
ただ、クルマで向かう場合、西側から入ると道が狭いですので、東側の山を行き来することをお勧め致します。
駐車場の場所などは、当方のオリジナル関東地図にてポイントしております。
スマホで表示して、目的地として選択し「ナビ開始」にすれば、カーナビ代わりにもなります。
自動車用、歩行用でも、ナビとしてお使い頂けます。
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トイレはありません。
約2km先には相模・怒田城もあります。
久里浜港と対岸の金谷港には「東京湾フェリー」(所要50分)が就航しており、往時の水軍も偲ぶことができます。
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