岩手県

平泉・接待館の謎 源義経の最後になった衣川館か?

平泉・接待館

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平泉・接待館

接待館(せったい-だて)は、岩手県奥州市衣川にある平安時代の屋敷跡です。
国の史跡に指定されています。
場所は、中尊寺北側を流れている衣川の北岸です。

藤原清衡の次男で、奥州藤原氏・第2代当主になった藤原基衡(ふじわら-の-もとひら)の妻(安倍宗任の娘?)が、おもてなしの精神にて、関道を往来する旅人を接待したり、施しを与えた場所だったので「接待館」と呼ばれるようになったと伝わります。

発掘調査の結果、平安時代後半からの掘立柱建物跡がなんと42棟、土坑跡、溝跡、堀跡、土塁跡、竪穴式住居跡、大量のかわらけなどが出土しました。
この調査の結果、遺跡の規模が、奥州藤原氏の屋敷である柳之御所遺跡に匹敵する大きさであることがわかりました。


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なお「かわらけ」ですが、お酒を飲むのに使用する杯と言う事になります。
主に儀式に使用したと考えられています。
素焼きなので、1度使用して、水分を含むと、そのあとが消えません。
そのため、杯毎に新品をおろしました。
宴会や儀式で使用したあとは、全て廃棄するのです。
その、かわらけが、大量に出土したことから、まさに「接待」として使用していたのではないか?とされるのです。
例えば、京都の平安京などでも、儀式の際に使用される使い捨て食器「かわらけ」が、大量に出ています。

更には、堀と土塁に囲まれた居館で、防御性もあったことから、この遺跡は奥州藤原氏の祖先である奥州・安倍氏の政庁跡とも推測されています。

また、奥州藤原氏の時代の遺構も広範囲で見つかっていることから、奥州・藤原氏の3代目、藤原秀衡の母の居館で、平泉府の迎賓館的な役割であったとも推測されています。
屋敷からは、金色に輝く、中尊寺・金色堂が見えるようになっていたと言います。

このように外部からやってきた客人をもてなしたと考えられることから、源義経が自害した藤原基成の屋敷と言う「衣川館」が、この接待館であった可能性も指摘されています。
※一般的に、源義経の最後の地は、高館義経堂がある、平泉・高館で、そこが衣川館(ころもがわのたち)であったとされています。


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となりますと、藤原基成の館がこの接待館で、ここが衣川館であった可能性もある訳です。
そして、客人として迎えた源義経、正妻の河越重頼の娘(郷御前)、弁慶、鈴木重家、鈴木重染、亀井重清などの主従はここで世話になっていて、藤原泰衡が館を取り囲んだとも考えらます。

平泉・接待館がある場所ですが、当方のオリジナル東北地図にてポイントしております。
スマホで表示して、目的地として選択し「ナビ開始」にすれば、カーナビ代わりにもなります。
自動車用、歩行用でも、ナビとしてお使い頂けます。

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コメント

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  • コメント (1)

    • 山田 久夫
    • 2020年 7月 21日

    藤原三代の居館を平泉とする説は吾妻鑑文治五年の条に基づくものです。源頼朝は多賀国府へ寄った後に平泉に行ったことになっています。しかし、多賀国府は存在しません。吾妻鑑文治五年の多賀国府が絡んだ一連の記録文風記載は虚偽だと思います。多賀城碑出土地を発掘調査し該当時代以前に廃絶された遺跡と判明しています。多賀城碑は神亀元年に按察使兼鎮守将軍大野東人が置いたときしますが、神亀元年に大野東人は未だ、鎮守将軍や按察使に任じられていません。続日本紀参照してください。多賀柵、多賀城は賀美郡部内にあった事も続日本記で確認できます。多賀城碑の出土地は賀美郡から遠く離れた名取郡ちかくです。多賀城が襲撃された後、大伴家持が多賀は名取以南十四郡から遠く離れたところに在るので權郡を置くことを提言しています。多賀城が名取郡から遠く離れた所にあったことは間違いありません。虚偽が記され、名取郡近くから出土した多賀城碑が贋物の証拠です。多賀城は鎮守府や国府などではありません。養老律辺縁諸郡人条によれば辺縁諸郡の人が農閑期に居る所です。多賀城を陸奥国府とする諸説は前提が間違いであり論考が優れていても誤りと言えます。

城迷人たかだ

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高田哲哉と申します。
20年以上戦国武将などの歴史上の人物を調査している研究家です。
日本全国に出張して城郭も取材させて頂いております。
資格は国内旅行地理検定2級、小型船舶操縦士1級など。

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