柳之御所(やなぎのごしょ)は、岩手県西磐井郡平泉町平泉にある平安時代末期の館跡になり、国指定史跡に指定されています。
地元では一般的に柳之御所遺跡と記載されることの方が多いです。
吾妻鏡によると、平泉・無量光院の北に、奥州藤原氏の本拠である平泉館があったと記載されています。
平泉・高館の麓から北上川沿いに段丘に広がる、かなり大きな範囲となります。
古来から、初代・藤原清衡、2代・藤原基衡の屋敷跡と伝わってきました。
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発掘調査の結果でも、中国産の白磁の壺、東海地方の陶製の大甕、木工製品や大量に使われた「かわらけ」(10数トン)、掘立柱建設跡や屋敷群跡、堀や塀、池や井戸などが見つかっており、かなりの規模であったことが分かっています。
なお「かわらけ」ですが、お酒を飲むのに使用する杯と言う事になります。
主に儀式に使用したと考えられています。
素焼きなので、1度使用して、水分を含むと、そのあとが消えません。
そのため、杯毎に新品をおろしました。
宴会や儀式で使用したあとは、全て廃棄するのです。
その、かわらけが、大量に出土したことから、まさに「接待」として使用していたのではないか?とされるのです。
例えば、京都の平安京などでも、儀式の際に使用される使い捨て食器「かわらけ」が、大量に出ています。
そのため、奥州氏原氏の政庁である平泉館と比定されており、3代・藤原秀衡(ひでひら)の屋敷もここにあった可能性が指摘されています。
国道4号のバイパスも、ルート変更がなされて、遺跡は保存され、世界遺産には入りませんでしたが、史跡公園として整備されています。
しかし、池、堀、道路などが復元されている程度です。
近くには、柳之御所資料館(無料)もあり、国内初の印章ななど、貴重な展示もされています。
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交通アクセスですが、JR東日本「東北本線」の平泉駅から徒歩約15分となります。
クルマの場合、新しくできた、道の駅「平泉」黄金花咲く理想郷の駐車場が利用できますが、ちょっと、離れています。
敷地は広大ですので、くまなく見学しますと、60分くらいは必要です。
あまり見るところはありませんので、入口付近だけでも、雰囲気はよくわかるかと存じます。
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