茨城県

山川館(常陸・山川城) 結城四天王・山川氏の本拠地

山川館(常陸・山川城)

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山川館(常陸・山川城)

山川館(常陸・山川城)は、茨城県結城市上山川にある平城で、別名は地頭屋敷、山川氏館と呼ばれています。
現在の東持寺が、山川館跡となりますが、4方は土塁と堀で、見事に囲まれた方形館ですが、古い時代の居館と推測されます。
土塁も昔はもっと高く、堀も昔はもっと深かったことでしょう。
古くからの領主は山川氏(山河氏)で、鎌倉時代の寛元元年(1243年)に、結城朝光の4男・山川重光(山川五郎重光)が、山川庄の地頭に任じられて、山川館を構えたとあります。

山川氏は「結城四天王」のひとりとして、1440年の結城合戦では、山川広朝(山川大膳太夫広朝)が、結城城での籠城に加わっています。
結城氏朝・結城持朝などが、永享の乱で自殺した足利持氏の遺児(足利春王丸・足利安王丸)を擁して挙兵し、室町幕府に対して反乱を起こした戦いです。
その他、小山氏朝、山川三郎、武井二郎、宇都宮氏、里見氏、簗田氏、芹沢氏、龍ケ崎氏が結城城に参じました。


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なお、山川氏は、結城氏の同盟勢力のような感じでして、本家筋である結城氏や小山氏に後継がいない場合には、山川氏も養子縁組を度々おこなって、存続を図っていますが、一時は、山川氏の方が結城氏よりも勢力を持った時もありました。
ただし、山川景貞が誅殺されるなどして、やがて、結城氏が戦国大名化を図ったようです。
永正年間、古河公方の内紛時には、山川朝政・山川政貞らが、結城勢として古河公方・足利高基に味方して戦っています。

戦国時代の天文3年(1534年)、結城氏に従っていた下妻城主・多賀谷家重が、常陸・小田城の小田政治に通じて、結城家からの独立を画策します。
この時、結城政勝は山川城主・山川尾張守らに、多賀谷氏の討伐を命じました。
山川尾張守は重臣の手塚(某)を大将にして攻撃させましたが、多賀谷勢は兵を2手に分けて防戦したため、山川勢は撤退したとあります。

山川館(常陸・山川城)

1537年1月、多賀谷・小田の連合軍は、結城城を攻撃するため山川領に侵攻しました。
結城政勝は古河城の足利晴氏(古河公方)の弟で下野・祇園城主の小山高朝らの援軍を得て迎撃し、小田政治の本陣を夜襲すると首級300を挙げ、更には下妻城に押し寄せたようです。
しかし、同じ「結城四天王」である下館城主・水谷治持が仲介して、多賀谷家重の甥・多賀谷朝重(多賀谷安芸守朝重)を、結城家に人質に差し出すことで和睦しました。

その後も、小田氏治が結城領に侵攻する構えを見せたことから、1556年、結城政勝は結城城に山川城主・山川氏重(山川讃岐守氏重)、下館城主・水谷正村、岩上但馬守、多賀谷政広(多賀谷安芸守政広)らの重臣を集めて出陣しました。
更に、小山高朝は榎本高満(榎本大隈守高満)と、古河公方・足利晴氏も配下になっていた関宿城主・梁田晴助らを援軍として送ります。
また、小田原城北条氏康も、太田康資、遠山丹波守、富永三郎左衛門らの江戸城の在番衆と、岩槻城主・太田資正を軍監に加えて結城城に向かわせ、3000騎で海老ヶ島城を包囲しました。
海老ヶ島城の平塚長春らを討ち取ると、小田氏治は反撃に出て、山王堂の戦いとなっています。
この時、結城連合軍は、小田勢の首級485を挙げ、小田氏治は本拠の常陸・小田城も失い、重臣の菅谷氏が守る土浦城に逃れました。

1560年、上杉謙信が関東に侵攻すると、結城氏は北条氏に下ったため、山川氏重は一時、上杉謙信の陣に参じています。


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1565年、14代の山川氏重(山川駿河守氏重)は、南に2km行った地に山川綾戸城を築いて、本拠を移します。
ただし、そのあとも、山川城には代官(城代)が置かれたようです。

伊勢・山川城もあるので、混同注意です。

交通アクセス

山川館(常陸・山川城) への交通アクセスですが、かなり不便なところにあります。
JR結城駅が最寄り駅となりますが、距離にして6.5km、徒歩1時間30分くらいです。
レンタカーや、クルマでの訪問をオススメ致します。
山川綾戸城とセットでどうぞ。

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高田哲哉と申します。
20年以上戦国武将などの歴史上の人物を調査している研究家です。
日本全国に出張して城郭も取材させて頂いております。
資格は国内旅行地理検定2級、小型船舶操縦士1級など。

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