秋田県

出羽・久保田城 御隅櫓と表門が復元されている日本100名城

出羽・久保田城

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出羽・久保田城とは

久保田城(くぼた-じょう)は、秋田県秋田市にある平山城で、標高は30m、比高は20mになります。
別名は、窪田城、矢留城、葛根城秋田城とも言い、日本100名城日本の歴史公園100選にも選ばれています。
最初の築城は関ケ原の戦いのあと1603年とされます。
もともと秋田は、檜山安東氏の秋田実季が支配しており、久保田城からもほど近い、出羽・湊城を本拠としていました。


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関ケ原の戦いで、徳川家康に積極的に味方しなかった水戸城主・佐竹義宣が国替えの命を受けて、54万石から20万石へ減転封となり、1602年9月17日、出羽・湊城(土崎湊城)に入ります。
佐竹家は、角館城横手城出羽・大館城といった諸城も改修し、仙北での一揆も平定しました。
しかし、もともと54万石であったため家臣とその家族らも多く、湊城では広げるにも限界があります。
そのため、新しく城を築くことになり、江戸幕府からも許されました。

久保田城

なお、もともとは、秋田家の家臣・三浦源五郎(川尻 源五郎)の居城である矢留城があったともされ、そうなりますと、最初の築城はもっと古そうです。

久保田城

1603年5月、普請奉行に梶原政景・渋江政光を立てて、神明山に新城を築城開始しました。
また、同時に城下町と羽州街道の整備もはじめたようです。

久保田城

1604年8月に完成すると本拠を移しましたが、築城当初は「窪田城」と表記されています。

久保田城

本丸には、久保田藩主の居館になる本丸御殿と政務所がありました。
周囲は多聞長屋と板塀で囲み、出入り口は、表門・裏門・帯曲輪門・埋門・切戸口と5箇所あったようです。

久保田城

表門は一ノ門と呼ばれ、二の丸へ通じる手前に長坂門(二ノ門)もありました。

久保田城

南西隅には出し御書院、2階建ての御出書院という櫓座敷があったようです。
水堀と土塁を巡らし、石垣は、ほとんど使用していない城であり、天守閣も最初からなかったと言いますので、幕府にかなり遠慮したり、財政事情も良くなかったことが伺えます。
なお、佐竹義宣が湊城から移ったあとも、城普請などは続けられており、すべてが完成したのは1631年頃とされます。

久保田城

その後、本丸全焼後、縁起が悪かったのか、1633年~1645年には「久保田城」と言う名前が使われるように変化してきました。

場内にある八幡秋田神社(はちまんあきたじんじゃ)は、初代藩主・佐竹義宣を祀っています。

久保田城

久保田城表門

久保田城の本丸一ノ門が復元されています。

久保田城表門

江戸時代に2回火災にあっており、絵図などの文献資料や発掘調査の結果をもとに、復元(再現)されたものになります。

久保田城表門

御物頭御番所

城の警備をした物頭が住む「御物頭御番所」は、久保田城内にある建物で、唯一の現存建物となります。

御物頭御番所

この御物見番所は、本丸の一ノ門と二の丸の間にあります。
毎朝、日の出とともに城門を開き、毎夕、日の入りでは閉めると言う、扉の開閉を行う武士が24時間駐在していました。

御隅櫓

久保田城には、8つの御隅櫓があり、そのうちのひとつとして、御三階櫓があったとされます。

久保田城・御隅櫓

なお、度々火災に見舞われている城で、1633年に本丸が全焼した際、焼失したともされています。

久保田城

この北西隅にあった新兵具隅櫓(三階櫓)は、1989年に復元され、秋田のシンボルになっています。
また、櫓内は有料(100円)の資料館になっており、4階は展望台です。
風が強かったですが、秋田の市街地が見渡せました。

久保田城からの眺め

佐竹義堯銅像ですが、この佐竹義堯(さたけ-よしたか)は、久保田藩、最後の藩主です。

佐竹義堯

戊辰戦争の際には、新政府に恭順し、奥羽列藩同盟の盛岡藩主・南部利剛からの攻撃に対処しています。
ただし、久保田藩の鉄砲は、旧式の火縄銃ばかりで、大館城も陥落するなど、苦戦を強いられています。
久保田士の約70%が兵火で被害を受け、藩内の民家も40%が焼失しただけでなく、新庄藩・本荘藩・矢島藩から逃亡してきた藩主・藩士の家族の世話もしたため、相当な出費もあったようです。

久保田城

現在、久保田城跡は、千秋公園として公園整備されています。

久保田城の紅葉

千秋の名は、秋田の「秋」に、長久の意味である「千」を用いたもので、長く繁栄が続いてほしいという意味が込められているそうです。

久保田城跡

佐竹史料館にも寄らせて頂きましたが内部のほとんどは撮影禁止のため、唯一撮影できたのは佐竹義重の有名な毛虫甲冑レプリカくらいでした。


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交通アクセス

交通アクセスですが、JR奥羽本線/秋田新幹線・JR秋田駅の西口から徒歩約15分になります。
駐車場は二の丸に14台ほどありますが、30分100円のコインパーキングになっています。
毎年4月中旬から5月上旬の春には桜の名所として、花見スポットになっています。
見学所要時間ですが、全部、くまなく見学しますと1時間以上は掛かります。
日本100名城のスタンプがある場所は、佐竹資料館と久保田城御隅櫓になります。
夏は、秋田の名物で露天売りの「ババヘラアイス」が美味しかもしれません。
お時間がある方は、古代城柵の秋田城もセットでどうぞ。

駐車場の場所などは、当方のオリジナル東北地図にてポイントしております。
スマホで表示して、目的地として選択し「ナビ開始」にすれば、カーナビ代わりにもなります。
自動車用、歩行用でも、ナビとしてお使い頂けます。

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城迷人たかだ

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高田哲哉と申します。
20年以上戦国武将などの歴史上の人物を調査している研究家です。
日本全国に出張して城郭も取材させて頂いております。
資格は国内旅行地理検定2級、小型船舶操縦士1級など。

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