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喜多見城(喜多見陣屋)のちょこっと解説~優秀だった江戸勝忠(喜多見勝忠)?

喜多見城(喜多見陣屋)

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喜多見城

喜多見城(きたみじょう)は東京都世田谷区喜多見にある平城で別名は喜多見陣屋とも言う。

最初の築城としては江戸氏とされる。
江戸氏は桓武平氏・秩父党の一族で、秩父重弘の5男・江戸重継が平安時代末期に武蔵国豊島郡江戸郷に入った。
江戸氏の本拠地(居館)は、現在の江戸城にある本丸跡・二ノ丸跡の台地上である。
子の江戸重長は源頼朝に従い、鎌倉幕府の有力御家人となっている。
秩父党の総領家・河越重頼畠山重忠とも縁が深い。


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平安時代末期から約300年間、江戸を守り切っていたが、戦国時代になり江戸城が扇谷上杉氏の家宰・太田道灌に圧迫される。
江戸氏はついに江戸城を明け渡すと、喜多見城に移ったと考えられる。
そして、世田谷城吉良氏朝に従った模様。
吉良氏朝の配下として江戸常光とその父・江戸門重が見られる。

喜多見城は慶元寺の門前付近にあったと推定されている。

近くには第六天塚古墳があり、見張り台などが建てられていた可能性も指摘されているようだ。

第六天塚古墳

下記は慶元寺の参道右側にある江戸重長の銅像。

江戸重長

慶元寺には江戸氏の墓所もあった。

慶元寺・江戸氏の墓所

須賀神社のあたりも屋敷跡と言ってもおかしくない。

須賀神社

多摩川の洪水で喜多見屋敷は流されたと言う話もあるので、正確な場所はわかっていないと言える。

やがて、小田原城の北条氏が武蔵にも進出すると、吉良氏と共に北条家の傘下となった。

江戸勝忠

江戸勝忠(えど-かつただ)は、戦国時代の1568年に江戸頼忠の子として生まれた。
武蔵・江戸氏の23代にあたる。
1590年、豊臣秀吉小田原攻めの際に、江戸勝忠は小田原城に籠城している。
江戸城に徳川家康が入ると喜多見村(木田見郷)500石を安堵されたほか家臣として迎えられ、喜多見氏に改姓。
名も改めて喜多見勝重と称したようだが、一般的には喜多見勝忠と呼ばれる。
喜多見勝忠は、九戸政実の乱関ヶ原の戦い、大坂の陣に参じて1616年近江国郡代となり、500石を加増され合計1000石の旗本となった。

慶元寺

その後、摂津郡代となると、1618年には堺奉行となったほか、摂津・河内・和泉の奉行を兼任しているため実務に長けていた可能性がある。
また、後陽成天皇が崩御すると葬礼を務めるなどし、1621年には2000石となった。
小堀遠州とも親しかったようで、佐久間実勝からは茶道を学んだようだ。

慶元寺 三重の塔

喜多見勝忠は、1628年12月26日、堺奉行の在職中に病死。享年60。


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孫・喜多見重政は、将軍・徳川綱吉の御側小姓となった。
その後、側用人となると加増されて1万石の大名として列した。
更に2万石となったため喜多見藩が成立し、喜多見城は「喜多見陣屋」となっている。
江戸城までの距離は約16km、歩くと約3時間30分と至近だが、驚くべきことに築城を許されており、建築費用までもが徳川綱吉から下賜されている。
生類憐みの令をはじめとする悪政を行った徳川綱吉は、やはり愚将だったのか?
柳沢吉保が側用人に登用されると、喜多見一族の不手際により喜多見重政は連座・突然改易(所領没収)となった。
子孫は松前藩士として存続している。

喜多見陣屋は現在の慶元寺門前付近にあったとされるが、特に遺構などは残っていない。
夏は暑いので熱中症対策を。

交通アクセス

新型コロナの影響もあり、

ココに限らず、東京の西側はとにかく道路が狭いうえに、歩行者・自転車・クルマとそこそこ交通量もある。
駐車場はないので、コインパーキングに止めて徒歩で向かった。
一方通行もあるので、はじめてだとカーナビが必須。
喜多見駅から歩いて向かう場合にもナビが必要。

喜多見城がある場所は当方のオリジナル関東地図にてポイントしている。
スマホで表示して、目的地として選択し「ナビ開始」にすれば、カーナビ代わりにもなる。
自動車用、歩行用でも、ナビとしてお使い頂ける。
お気をつけて訪問して頂きたい。

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城迷人たかだ

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高田哲哉と申します。
20年以上戦国武将などの歴史上の人物を調査している研究家です。
日本全国に出張して城郭も取材させて頂いております。
資格は国内旅行地理検定2級、小型船舶操縦士1級など。

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