静岡県

駿河・葛山城とは 土塁・堀切・曲輪など見事な遺構

駿河・葛山城

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駿河・葛山城

駿河・葛山城(かずらやまじょう)は、かつらやまとも言いますが、地元では「かずらやま」と呼ばれている山城で、静岡県裾野市にあります。
標高270m、比高69m(仙年寺の水堀と)です。

葛山城

築城年は不明ですが、古くから在地している豪族・葛山氏によって詰めの城として築かれたと考えるのが妥当でしょう。
葛山氏は藤原鎌足を先祖に持つ藤原北家大森氏(駿河大森氏)から、大沼氏・河合氏・菅沼氏・神山氏・沓間氏などと共に駿河大森から別れた庶流です。
駿河郡大森(裾野市)は、大森姓のルーツでもあります。

葛山城

平安時代末期に甲斐・駿河の国司となった藤原惟康(大森惟康)の次男・鮎沢惟兼が駿東郡葛山に住んで、葛山惟兼と名乗ったことに始まります。
駿河大森氏はその後、大森頼春が上杉禅秀の乱の鎮圧に功績をあげ、扇谷上杉家の重臣として伊勢原に移ります。
1486年、太田道灌の亡きあとは大森氏頼が上杉定正の第一の家臣となり、小田原城を整備し、のちには小田原城主・大森藤頼などが知られますが、1500年頃に北条早雲に小田原城を奪われ、没落しています。

葛山城

なお、現在にも残る葛山城の二重堀切や竪堀などは、武田時代に修繕されたものとなります。

葛山城

晴れていれば富士山がとても綺麗に望めた場所でもあったと思いますが、現在は木々が高くなってしまい、富士山のてっぺんがちょっと見えるくらいだけになってしまっています。
とは言え、鎌倉時代から戦国時代へと名門を繋いだ葛山氏や家臣らは、この葛山から贅沢な眺めを見ては、どのような思いをはせていたのでしょう?

葛山城

決して派手な山城ではありませんが、遺構はとても良く保存されているだけでなく、歩きやすいよう、見やすいよう整備されており、お勧めできる山城です。

葛山城

大手は尾根の東先端ですが、葛山館の北になる仙年寺から登城するのが一般的で、山頂部まで5分~10分と近いです。

葛山城

葛山城は地元の保存会の方々が毎週手入れなさっている整備された史跡であり、非常にありがたく見学する事ができますので、もちろんゴミなど散らかさないように感謝しつつ見学したいところです。

葛山城

葛山城

葛山城

葛山城

大手口となる東の尾根先にも地元の方のご協力によって1~2台の駐車場が設けられましたが、大きな車では転回など困難です。
そのため、仙年寺の南にある葛山集会所の駐車場がメインとなります。
登山道は仙年寺・本堂の左脇から奥の階段を登って行きます。その途中に葛山氏代々の墓所があります。
下記の地図ポイント地点がその駐車場の場所となり、お寺さんのトイレも集会所脇にあります。

地図は縮尺を変えて、ご覧願います。
ちなみに、長野・善光寺の北西にも信濃・葛山城がありますが、そちらは上杉謙信の葛山衆となります。

JR御殿場線の岩波駅から歩くと、麓まで約2.6km、徒歩33分となります。

葛山城

葛山城

あと、いくつか撮影した写真を掲載し、最後には甲冑武者の雄姿もご紹介させて頂きたく存じます。

葛山城

葛山城

山城の多くでは木々まで伐採しているところは少ないですが、葛山城は保存会の方が伐採もしており、山城の素肌が良く分かりイメージがつかみやすいです。

葛山城

葛山城

葛山城

葛山城

葛山城

葛山城

葛山城保存会の皆様と甲冑武者

今回、いつも大変お世話になっている山中城武将隊の大将・加藤殿が葛山城に出陣すると伺い、ご許可を賜りまして、葛山城へ同行させて頂きました。
その際に、現地の葛山城保存会の3名様による、城域のご解説も大変丁寧に賜りまして、有意義に過ごす事ができ感激致しました次第ですが、その時の写真をありがたく下記に掲載させて頂きます。(小生は写っていませんので、念のため記載しておきます。)

葛山城にて撮影

山本勘助

葛山城保存会の皆様と甲冑武者

葛山城に見参

葛山城

葛山城

葛山城保存会の皆様と甲冑武者

葛山城保存会の皆様と甲冑武者

葛山城保存会の副会長様を初め皆さま、お忙しい中、本当にありがとうございました。

武田信玄と山本勘助

たそがれの山本勘助

下記は山本勘助殿と武田信玄殿となります。

甲冑武者

戦国武将

甲冑武者

甲冑を自分で作ったり、このように着たりしてイベント(お祭りなど)に出たいと言う意気込みのある方は、Facebookの方からその旨ご連絡賜れば、ご紹介もさせて頂きます。
主に神奈川県と静岡県東部などで年間通じてあります。
遠くからは東北や関西からもご参加頂いているようです。

武田信玄に報告

忍びによる報告

葛山城の見学所要時間ですが、今回、保存会様の大変貴重な解説を拝聴しながらでしたので、正確には不明ですが、だいたい大手も回って一周すると40分くらいかと推測致します。

戦国武将の記念撮影

戦国武将と忍者

登山道は整備されていますので、トレッキングポールは不要です。

お断り

上記の甲冑を着て城域で撮影させて頂いている内容は、師匠より保存会様と山の所有者様に事前許可を賜っており、当日も保存会様のご同行を頂いております。
もし、同様の事を行う場合には、必ず保存会様のご許可を頂き、ご迷惑をお掛けしないよう、お願い申し上げます。

駿河・葛山城への交通アクセスですが、当方のオリジナル地図にて場所をポイントしてあります。

以上、最後までご覧頂きまして、誠にありがとうございました。

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城迷人たかだ

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高田哲哉と申します。
20年以上戦国武将などの歴史上の人物を調査している研究家です。
日本全国に出張して城郭も取材させて頂いております。
資格は国内旅行地理検定2級、小型船舶操縦士1級など。

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