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武蔵・杉山城とは
武蔵・杉山城(すぎやま-じょう)は、初雁城とも言う標高95mの山城で、比高は42mになり、埼玉県比企郡嵐山町にあります。
国指定史跡になっているほか、続日本100名城にも選ばれていますが、横堀や横矢、馬出し、土橋、土塁、虎口などが良好な状態で残っている埼玉の城跡となります。
台形の小高い丘の上に築かれた階梯式の小城で、最初の築城は、金子主水と言う伝承があります。
しかし、発掘調査からは、山内上杉氏が治めていた時代に築城された可能性が高まりました。
その後、扇谷上杉氏に臣従し、武蔵・松山城を本拠とした上田朝直の一族が、杉山城に入っていたと推測できます。
ただし、1438年に、越畑城主になった庄秀俊の子である庄秀政が、杉山城を築いたともされます。
もう一度、ただしですが、庄主水(杉山主水弘秀)であったともされ、色々と諸説あります。
古河公方の『足利高基書状写』では、1520年頃ら「杉山の陣」と言う呼び方で、杉山城が記載されています。
高低差を利用しながらおよそ10の郭が配置されていますが、鉄砲の時代より前の設計(縄張り)です。
1563年頃、武蔵・松山城も陥落したあとは、小田原の北条氏によって改修が行われたと考えて良いでしょう。
ただし、上田憲定が武蔵・松山城に入り、領地は安堵されていたようですので、上田家の家臣が武蔵・杉山城に詰めていたとも言えます。
杉山城では城の広い範囲で火災があったあと廃城になったと考えられる、焼けた壁土や炭化した竹がたくさん発掘されています。
1590年、豊臣秀吉の小田原攻めの際に、城を焼いたのかも知れません。
私有地と言う事ですが、地権者さまが理解ある方で、下草も刈って整備されていますので、夏でも安心して訪問できる山城で、見学所要時間は40分~80分といったところです。
続日本100名城スタンプは、嵐山町役場庁舎に設置されており、夜間は閉鎖されています。
武蔵・杉山城への行き方
交通アクセスですが、バスは無く、東武東上線武蔵嵐山駅から徒歩約40分です。
急坂はありませんので、苦労しませんが、最低限、スニーカーなどが良いです。
駐車場は完備されていますが、新しい駐車場の場所を当方のオリジナル地図では示しておきます。
杉山城跡は「中世山城の教科書」とか「戦国城郭の最高傑作」などと言われており、また訪問したい城跡でした。
武蔵・菅谷館、武蔵・松山城、武蔵・小倉城などとセットでどうぞ。
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