山梨県

甲斐・南部城山 南部光行の本拠地で南部氏発祥の地

甲斐・南部城山

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甲斐・南部城山(なんぶ-しろやま)は、身延山から南の方向、山梨県南巨摩郡南部町南部にあり南部城山城とも書く標高220mの山城で、比高は100mほどあります。
南部町は、奥州の豪族・南部氏の発祥の地となります。
甲斐源氏で武田家初代・武田信義の弟とされる加賀美遠光(かがみ-とおみつ)は、加々美荘(かがみのしょう)を領地としていました。
加々美荘は山梨県南アルプス市加賀美であり、法善寺がある場所に屋敷を構えていたようです。
源頼朝の挙兵に参加し、石橋山の戦いにて活躍し、長男・秋山光朝は加々美荘から南方の大井荘へ出て、南アルプス市秋山に居館を構えると秋山氏を称しました。
また、次男の小笠原長清は小笠原氏を称して、戦国時代の信濃・小笠原家に繋がっています。
また、三男の南部光行は南部牧に進出して南部氏を称して内部家の祖となのました。


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南部光行(なんぶ-みつゆき)は、富士川の脇に南部氏館を築いたようですが、詰めの城として南部城山を設けたと考えられます。
ただし、鎌倉時代の南部城山は、見張り程度の簡素なものであったことでしょう。
中腹にある新羅神社は、南部光行が建立したと伝わります。

道の駅なんぶ

下記の銅像は、新しくできた道の駅「なんぶ」にある南部光行の銅像で、無料で入れる「南部氏資料室」も併設されています。

南部光行

1189年、南部光行は源義経打倒の奥州合戦で戦功を挙げ、恩賞として陸奥国糠部5郡を与えられます。
そのため、青森県三戸郡に平良ヶ崎城を築いて本拠を移しました。
南部光行には、6人の子がおり、長男・南部行朝は庶子だった一戸氏の祖となりました。
次男・南部実光が三戸南部氏を継ぎ、3男の南部実長は八戸氏、四男の南部朝清は七戸氏、五男の南部宗清は四戸氏、六男の南部行連は九戸氏の祖にそれぞれ分かれて行ったと言う事になります。
この東北の南部氏は、戦国時代にも繋がり、三戸南部氏の本流は江戸時代になると、南部利直が盛岡藩の初代藩主と繁栄しました。

一方、富士川の南部に残っていた南部実長は、1274年に日蓮上人を招いて、身延山・久遠寺の開山を支援しました。
その後、南部一族は、のち身延の波木井氏館に移って波木井氏を称しています。

戦国時代になると、駿河の今川氏親の重臣・福島正成が甲斐へ侵攻した際には、波木井実長の末裔である波木井義実が波木井城主でした。
波木井義実は、今川家に味方したことから、武田信虎によって攻められて、波木井城も廃城になったようです。

その後、武田信虎に臣従した穴山信綱(穴山信風)に南部領も与えられたようで、南部城山の北側にある円蔵院は、穴山信友の造営です。
ただし、穴山信友は甲斐・下山城を整備して、南部から城下町を移した模様です。

南部の城跡

そして、武田信玄の時代には、武田一門衆筆頭の穴山信君(穴山梅雪)の支配地となり、南部城山は烽火台として整備されたことから、南部城山烽火台と呼ぶこともあります。

甲斐・南部城山

十島葛谷峠の国境警護と、甲斐と駿河国境の白鳥山を起点とした狼煙ネットワークで、約4kmの見通しがきく南部城山から急を伝えたようです。
南部城山の近くには、衛士の屋敷や砦・望楼なども設置されていました。

南部城山

しかし、1582年、織田信忠の軍勢が甲斐になだれ込むと、穴山梅雪は主君・武田勝頼を裏切、この南部から徳川家康の軍勢を道案内して甲斐へ入れました。
その3ヶ月後、本能寺の変があり、穴山梅雪は畿内からのがれる途中、落ち武者狩りの襲撃を受け、京の田辺にて死去しています。

南部城山への交通アクセスですが、普通車でもなんとか登っていける急坂の途中に、南部城山ふるさと公園の案内板があります。

南部城山

そこには駐車スペースがありましたので、当方のオリジナル地図ではポイントしておきます。
登城する場合には、その駐車場から歩いて坂歩登った尾根筋から北側に入っていく感じです。
城跡には各所には郭跡、土塁、土橋と思われる遺構もあるようですが、説明などは一切ありません。

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城迷人たかだ

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高田哲哉と申します。
20年以上戦国武将などの歴史上の人物を調査している研究家です。
日本全国に出張して城郭も取材させて頂いております。
資格は国内旅行地理検定2級、小型船舶操縦士1級など。

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