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小笠原長清公館 (小笠原長清館)の解説~信濃・小笠原氏の祖となった小笠原長清とは

小笠原長清公館 (小笠原長清館)

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小笠原長清公館 (小笠原長清館)

小笠原長清館は、山梨県南アルプス市小笠原にある平城・館跡。
甲斐国志によると「御所ノ庭 村ノ西ニ在リ松樹鬱蒼方四十間許リノ間地ナリ相伝フ小笠原長清居宅ノ南庭ニニシテ(略)」と記しているようで、小笠原小学校付近の小字が「御所庭」(ごしょうのにわ)だと言う。
という事で、現在は南アルプス市立小笠原小学校になっているようだ。
小笠原長清公館跡の石碑が校庭にあるが、道路から見ると裏側になってしまい正面からの撮影は困難だった。

小笠原長清公館 (小笠原長清館)

小笠原長清

小笠原長清(おがさわら ながきよ)は平安時代末期の武将で、甲斐源氏の一族・加賀美遠光の次男として1162年に生まれた。
母は、鎌倉・杉本城主である杉本義宗の娘(和田義盛の妹)。
はじめ加賀美長清との名前もあり、兄・秋山光朝とともに京で平知盛に仕えていた模様。


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1180年に源頼朝が挙兵すると、加賀美長清(小笠原長清)は母の病気を理由に甲斐へ帰国し平家を裏切った。
そして、富士川の戦いに父らと参じたとされるほか、弓馬の武芸に優れており武田信光・海野幸氏・望月重隆と並んで「弓馬四天王」と称されている。
1181年2月1日、源頼朝の仲介で上総広常の娘を妻にした。
その他に妻は、藤原邦綱の娘?、家女房と言う女性がいる。
子も大変多く、小笠原長経八代長光、小田清家、伴野時長、大井朝光、伴野教意、伴野為長、大井行長、鳴海清時、大蔵清家、大倉長隆、八代長文、伴野行正、大倉行信、伴野行意などがいる。

謀反の罪で兄・秋山光朝が1185年に鎌倉で殺害されると、当初は家督継承の立場になったのかも知れない。
その頃から約10年間、小笠原長清と加賀美長清の名の混雑が見られるため、小笠原長清館を構えたのも、甲斐に戻ってからの可能性がある。

なお、1185年、信濃国は将軍家知行国(関東御分国)とされ、父・加賀美遠光は源頼朝より信濃国司(信濃守)に任じられた。
のち小笠原長清も信濃守に補任され、信濃国伴野荘(ともののしょう)の地頭となり、本拠を移したとも考えられる。
伴野荘は、現在の長野県佐久市伴野にあたり、小笠原氏の宗家は本拠地を甲斐から信濃に移転させた。

1221年、承久の乱で小笠原長清は、武田信光らと鎌倉幕府軍の東山道大将軍として出陣。
小笠原長経に8名の子も京に攻め上り「七ケ国管領」となったほか、阿波国守護も兼ねた。

1242年7月15日、小笠原長清は信濃にて死去。享年81。


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その後の小笠原氏

跡を継いだ小笠原長経は比企能員の変に連座して失脚し、小笠原長清の6男・小笠原時長が伴野荘を継承して伴野時長と名乗った。
しかし、1285年の霜月騒動で安達泰盛・安達宗景の父子が誅殺されると、伴野時長の娘が安達泰盛の母であったため連座。
小笠原氏・秋山氏・南部氏など加賀美一族の領地は執権・北条貞時に奪われ、小笠原長氏が名跡を継いだようだ。
また、戦国時代に信濃守護で深志城小笠原長時武田信玄に滅ぼされたが、小笠原秀政の時に大名に復帰している。

阿波守護は小笠原長経が継いで鎌倉幕府滅亡まで、阿波・小笠原氏が阿波国守護を務め、子孫からは阿波三好郡を本拠にした三好長慶などを輩出した。
石見・小笠原氏なども庶流にあたる。


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小笠原氏は京にも進出し、流鏑馬や笠懸などは小笠原流弓馬術礼法として、日本を代表する武家へと発展したとも言えよう。

交通アクセス

小笠原長清公館 (小笠原長清館)の推定地だが当方のオリジナル関東地図にてポイントしている。
スマホで表示して、目的地として選択し「ナビ開始」にすれば、カーナビ代わりにもなる。
自動車用、歩行用でも、ナビとしてお使い頂ける。

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高田哲哉と申します。
20年以上戦国武将などの歴史上の人物を調査している研究家です。
日本全国に出張して城郭も取材させて頂いております。
資格は国内旅行地理検定2級、小型船舶操縦士1級など。

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