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遠江・小山城 武田と徳川がしのぎを削った小山城の戦い

遠江・小山城

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遠江・小山城とは

遠江・小山城(こやまじょう)は静岡県榛原郡吉田町にある平山城で標高40mで、比高35m。
この吉田にある小山城は、元々、今川家臣・真岡部五郎兵衛が砦として活用していたようだが、1568年12月に、武田信玄が駿府を占拠する前に、どうやら、徳川勢が小山城を攻めたようで、1568年4月、今川勢の小山城主・窪田介之丞が討死し、5月に徳川勢の松平真乗が小山城主となった。
その後、1569年2月にに武田信玄が小山城を攻略し、松平真乗は退却。
この時、徳川家康勢も侵攻しており、5月には掛川城を占拠。
大井川付近は、武田家と徳川家が激しく争う最前線となった。


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1570年、徳川勢が小山城を占拠したが、1571年に再び武田家が奪還し、馬場春信が大規模な改修を開始し、大熊長秀(大熊備前守長秀)が城主となった。

小山城

小山城は、舌状台地の先端部に築かれ、三方が小高い崖となっており、台地に続く西側には3重もの空堀が構築された。

小山城の三日月掘

小山城

小山城の堀

小山城・縄張り

また、小山城の南下にある能満寺境内も城の曲輪の1つであった。

能満寺・能満寺

小山城・能満寺
 
1572年12月、三方ヶ原の戦いで徳川家康が惨敗するも、1573年4月、武田信玄死去。
その秋に、武田勝頼諏訪原城を築城開始。

1574年6月、武田勝頼は25000の兵をこの小山城経由で高天神城攻略を行った。

しかし、1575年5月、長篠の戦いで武田勝頼は大敗北を喫し、山県昌景馬場信春内藤昌豊、原昌胤、原盛胤、真田信綱真田昌輝土屋昌続、土屋直規、安中景繁、望月信永、米倉重継らが討死。
8月には諏訪原城が徳川家康の手に落ちし、諏訪原城の城兵の一部は小山城に逃れている。


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小山城の戦い

1575年9月頃、小山城は土屋直規(土屋備前守直規、土屋貞綱、鳥井長太夫)、蒲原小兵衛、望月七郎左衛門らが守備していたが、諏訪原城を落とした、徳川家康は小山城付近の稲を刈り攻め及んできた。

そこに、ようやく武田勝頼の援軍20000が来襲するのを見て、退却に移った徳川勢を、小山城から岡部忠兵衛、鈴木弥右衛門、朝比奈金兵衛ら約250騎が城から討って出た。
逃げる徳川勢は酒井忠次(酒井左衛門)、大久保忠世(大久保七郎右衛門)らが必死に抵抗したため、小山城主・土屋直規(鳥井長太夫)は、兵を早々に引き上げたと言う。

諏訪原城が落ちた後は、遠江の要である高天神城への唯一の補給路として小山城の重要性は高まり、武田勝頼は中間地点に相良城を1576年3月築城。

徳川家康も高天神城攻略のため1576年に駿河の田中城、用宗城などを攻めている。

1578年6月に横須賀城を築城し、8月には小山城へ攻撃を試みるなど、包囲を拡大し、武田勢と徳川勢の攻防が続いた。

1580年7月には、徳川家康は高天神城を包囲する六砦(小笠山砦、獅子ヶ鼻砦など)を完成させ高天神城を完全に包囲させて掛川城に入った。
そして7月21日、小山城近くの色尾に布陣すると、稲を刈り取り、小山城の兵糧米を阻止している。
これを見た小山城の武田勢も黙っておられず、22日には徳川勢を襲撃し、酒井左衛門尉と小競り合いをしている。
徳川家康は、石川伯耆守に田中城へ攻撃に向わわせ、24日は小山から陣を払って浜松城へ帰城した。

兵糧攻めをされていた高天神城の岡部元信は、1581年3月に最後の攻撃を行い討死し、高天神城は陥落した。
後詰を送らず見殺しにした武田家の信用は大きく失墜し、7月には相良城も陥落すると、小山城は対徳川の最前線となった。

1582年2月、織田信長は武田勝頼攻めを開始すると、織田信忠の大軍が甲斐へ侵攻。
徳川家康も駿河から武田領へ入る動きを見せたため、小山城の城兵は2月16日に城に火を放ち甲斐へと逃亡し、小山城は徳川勢が占拠された。

武田勝頼は3月16日に天目山の戦いで討たれた。

小山城

現在の小山城は能満寺山公園として整備され、1987年に物見台があったとされる三の丸跡に犬山城天守をモデルにした模擬天守「展望台小山城」が建設された。
他にも大手門が復元され、三日月堀や馬出しなども整備されている。

小山城の地図

小山城の展示物

小山城の展示物

駐車場も広いので、観光バスも止められます。

小山城の展示物

この記事は戦国武将列伝Ωの記事を再編集・移設したものです。

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高田哲哉と申します。
20年以上戦国武将などの歴史上の人物を調査している研究家です。
日本全国に出張して城郭も取材させて頂いております。
資格は国内旅行地理検定2級、小型船舶操縦士1級など。

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