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新発田城とは
新発田城(しばた-じょう)は、新潟県新発田市(越後国蒲原郡)にある平城で日本100名城です。
本丸の形が舟のように見えることから舟形城と呼ばれたり、周囲が湿地で菖蒲(あやめ)がたくさん咲いていたことから菖蒲城とも呼ばれます。
最初の築城は、鎌倉幕府の創設に貢献した佐々木盛綱の流れの新発田氏による築城と考えられています。
ただし、築城年代などは不明です。
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代々、新発田氏の居城となりましたが、天正9年(1581年)、新発田重家が上杉景勝に対して反乱を起こす新発田重家の乱となると、1587年に、上杉景勝の攻撃によって新発田城は落城し、新発田氏は滅亡しました。
この時、新発田城は破却された模様ですが、1598年に上杉景勝が会津に移封となったあと、加賀・大聖寺城から溝口秀勝が6万石にて新発田城に入りました。
そして、新発田城の再建を開始し、最終的に新発田城が完成したのは、江戸時代の1654年ころとなります。
家臣の軍学者である長井清左衛門が縄張(設計)を考えていた際に、一匹の狐が現れると尾を引いたことから、縄張のヒントを得たと言い「狐尾曳ノ城」(きつねおびきのしろ)とも呼ばれます。
加治川を外堀として使用し、本丸を中心に北の古丸と南の二の丸で囲み、その南側に三の丸があります。
櫓は1棟、主な門は5棟あったと言います。
完成したのもつかの間、1668年の大火で建物のほとんどが焼失し、翌年の大地震では石垣の多くも崩れました。
そのため、石垣の積み直しが行われており「切り込みはぎ」と、角には「算木積み」が採用されています。
それまでの「野面積み」は、石の表面が平らに整形され、目地は隙間無く積まれました。
現存する約350mの綺麗な石垣と土居は、全国でも稀なものです。
二ノ丸跡には「堀部安兵衛像」があります。
あの「赤穂浪士」に参加した剣客の堀部安兵衛(ほりべ-やすべえ)ですが、新発田藩の溝口氏家臣でした。
諸説ありますが、父が櫓失火の責任を追って、堀部家は浪人することになったともされています。
現在は、陸上自衛隊・新発田駐屯地があるため、本丸の一部となどが公園化されており、本丸南側の石垣と堀、櫓門である本丸表門と、重櫓の二の丸隅櫓が現存しています。
表門と二の丸隅櫓は、国の重要文化財です。
あと、三階櫓、辰巳櫓が復元されています。
越後・新発田城には、もともと天守はなく、本丸の北西隅に御三階櫓複合式層塔型3重3階の三階櫓がありました。
この三階櫓を2004年に木造にて復元したものとなりますが、自衛隊の敷地内にあるため内部は非公開となっています。
ただし、丁字型の屋根になっている三階櫓にある三匹の鯱(シャチホコ)は全国唯一の珍しいものです。
ただし、辰巳櫓は公開されています。
二の丸隅櫓の他全長350メートルの切込みはぎ布積みの石垣は見事です。
積雪対策として用いられる海鼠壁も見ることができます。
江戸時代には新発田藩の藩庁も置かれました。
桜の時期には、城とサクラのコントラストも素晴らしいようです。
なお、本丸も大部分は自衛隊になっているため、本当に一部だけ見学できると言う感じです。
でも、丹波・亀山城のように、見学するのが困難と言うことでもないので、その辺りはありがたい限りです。
半分残念ですが、半分素晴らしいと言ったところでしょうか?
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越後・新発田城の開門(営業)は、4月~11月のみ(無休)で、時間は午前9時~午後5時(11月のみ午後4時30分閉門)となります。
入場は無料で、日本100名城スタンプは表門にあるようです。
新発田城への行き方
交通アクセスですが、JR白新線・羽越本線の新発田駅より徒歩約20分となります。
駅でレンタサイクルもあるようです。
日本の歴史公園100選にも選ばれている公園になっており、クルマの場合、無料駐車場100台完備です。
ボランティアガイドさんの説明を聞いたりしますと、観光所要時間は90分といったところです。
ガイドなしであれば、20分~40分といったところです。
あと、駅から近いところに、新発田藩・溝口氏の下屋敷である「清水園」は、越後を代表する名庭園で、秋の紅葉の時期も素晴らしいようです。
国の重要文化財にもなっている「足軽長屋」もありますし、五十公野御茶屋が国の名勝にもなっていますので、セットでどうぞ。
ちなみに、白鳥渡来地として有名な瓢湖は、領主の新発田城主・溝口氏が、13年の歳月をかけて、用水地(水害調整)として作った人造湖です。
・清水園 越後を代表する大名庭園と足軽長屋
・溝口秀勝 新発田の発展に大きく貢献した新発田藩主
・越後・水原城(水原館・水原代官所) 水原親憲の活躍も
・越後・上条城 上条上杉家や上条政繁の居城
・越後・安田城(阿賀野市) 安田実秀と安田長秀
・新津城 新津勝資・上杉二十五将のひとり
・堀部安兵衛の解説 赤穂浪士での忠義
・日本の城へのアクセス地図(オリジナル)
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