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石垣山城 (一夜城)とは
小田原の石垣山城(いしがきやま-じょう)は、皆様ご承知の通り、豊臣秀吉が小田原城攻めの際に、一夜にして石垣造りの城を出現させたことから「石垣山城」と用いる「一夜城」とも呼ばれています。
続日本100名城にも選ばれました。
小田原城からは直線で3キロの距離にあります。
天正18年(1590年)3月1日、豊臣秀吉は京都から出陣して、山中城など北条家の最終防衛線を突破し、4月6日には箱根湯本の早雲寺に着陣しました。
そして、小田原城を見下ろす笠懸山に、この日に登ったようで、築城を決断します。
以降、昼夜2交代制による、石垣山城の普請が開始されました。
4月上旬には小田原城の包囲が完成し、22万のうち14万8千の軍勢が小田原城の攻囲に加わりました。
豊臣方の各大将の陣には堀と柵が廻らされたとの事です。
4月28日、芝山宗勝が芝弥八郎に宛てた書状では来月中には石垣山城が完成すると記載されており、5月14日、豊臣秀吉が北政所(おね)に宛てた書状では早くも石垣や台所が完成し、やがて御殿や天守も完成すると記されています。
伊達政宗が6月9日に続いて、6月10日にも謁見した際、前日には無かった白壁が完成していたと言います。
伊達政宗はこの白壁を「白紙によるもの」と見破ったので、豊臣秀吉や諸大名を感心させたと伝わります。
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6月26日、豊臣秀吉は陣所を石垣山城に移しました。
そして、その夜22時に一斉に鉄砲を放たせたとあります。
工期としては天正18年4月から6月26日までの約80日間が築城に費やされており「穴太衆」(あのう)関わっていたと考えられています。
城の周りの木々が目隠しとなって、小田原城から見えないように工事が行われていました。
そして、完成後すると夜を待って一斉に周囲の木を伐採したため、翌日の朝、小田原城にいた北氏勢の目には、一夜にして立派な城が、山の上に現れたと言う事で、ビックリしたわけですね。
しかも、重い大きな石を配置した、総石垣造りの山城です。
たった80日間と言う、とても短い期間で築城した城ですので、私は、規模は小さいものだと思い込んでいたのですが、訪れてみてビックリ致しました。
ヘタな中世の城より広大で、しかも山の上です。
石垣に用いる石はわりと近くの山中より使用したようですが、それでも、重い大きな石をたくさん運んだのですから、スゴイです。
下記は二の丸から見た本丸跡です。
関東には石垣を用いた城などなかった時代ですので、さすが、天下人・豊臣秀吉です。
財力と動員力には、驚かせられます。
現在の石垣山城は、整備されていて犬の散歩にも良く、二の丸跡は芝生もあり、ピクニックも可能です。
下記写真は石垣山城から小田原城方面の展望です。
現在は木々が茂っており、余り展望が良くありません。
なんとか見えると言った感じです。
腫れている日に撮影たものも掲載しておきます。
今では木があって、小田原城もよくは見えませんが、現地から気をつけて探せば、小田原城も見つかります。(とても小さく見えます)
交通アクセス
石垣山城に行く場合には自動車が便利です。
早川小学校入口の信号から山に登ってた行くと道もわかりやすいです。(幅員狭くバス等不可)
ただし、かなり急坂をずっと上がって行きますので、ハイキング目的でなければ「自動車」の方が無難です。
新幹線や小田急ロマンスカーなど電車で小田原に赴いた場合にはカーシェアを安く利用して石垣山城に行くのも良いでしょう。
駐車場は無料で、下記のポッチを付けた箇所にあります。
新しい駐車場になり、喫茶店やトイレも新設されました。
どうしても歩きで行く場合には、JR早川駅より関白農道を経て徒歩約40分のハイキングとなります。
ただし、トレッキング・ポールなどは不要で、スニーカーで大丈夫です。
入場は無料と言うか、国指定史跡公園になっており、特に柵や門などはありませんので、24時間見学可能です。
ただし、城域に街灯などはありませんので、日没後は暗くて危険です。
なお、途中、道で迷っているクルマも良く見かけますので、カーナビで指定してお出かけになったほうが無難です。
カーナビが無ければ、Googleマップをスマホで起動して・・。
あと、歩きで行きますと、行きは結構な上り坂ですので、ご予算があれば、行きだけでも早川駅からタクシーがおすすめです。
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