熊本県

肥後・岩尾城と阿蘇氏の本拠地だった浜の館

岩尾城

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鎌倉時代の1207年頃に、名門・阿蘇家の阿蘇惟次が、本拠地をこの山都町(矢部町)はの浜の館に移しましたとされますが確証はありません。
そして、貞応年間(1222年~1224年)頃に阿蘇惟次が詰の城として築いたのが、岩尾城だと考えられています。
この浜の館と岩尾城をまとめて掲載したいと思います。


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肥後・浜の館

浜の館(はまのやかた)は、1207年頃からだとすると戦国時代まで約370年間、阿蘇神社の大宮司である阿蘇家の本拠となり、属城24城を支配しました。
阿蘇氏が矢部に移った際に、白羽の矢を放ち、矢が刺さった場所に「浜の館」を構えたと言う言い伝えがあります。
長らく、矢部高校が推定地と言われてきましたが、1793年から矢部高校改築の際に発掘調査を行ったところ、茅葺・入母屋造などの遺構が出たため浜の館の場所が確定しています。

浜の館

出土品のうち21点が国の重要文化財に指定されています。

館跡は東西220m・南北180mの方形と推定され、北に堀切、その他の三方に濠が巡らされていたようです。
そして、少なくとも永仁3年(1295年)、永享2年(1430年)、永正7年(1510年)の3回に渡って焼失した痕跡もあったようです。
校舎のプール側に、浜の館の看板があるようですが、クルマでの進入が難しそうだったのと、不審者に思われそうな雰囲気だったため、撮影は自粛させて頂いております。
行くなら、土日などが良さそうです。

1544年に、阿蘇惟豊が従三位に叙せられた際には、勅使・烏丸光康が浜の館に下向しています。

戦国時代には島津義久の圧迫を受けるようになり、1585年に宿老・甲斐宗運が死去すると御船城を手に入れた島津勢が天正14年(1586年)に野尻城を攻撃します。
この時、まだ2歳だった当主・阿蘇惟光は母親に連れられて弟・阿蘇惟善とともに目丸山に逃亡し(目丸落ち)、浜の館は焼失しました。

肥後・岩尾城

肥後・岩尾城(いわお-じょう)は、熊本県上益城郡山都町城原字本丸にある標高483mの山城(丘城)で、比高は40mとなり、矢部城とも呼ばれます。
浜の館から岩尾城の入口までは、約200m、歩いて2分の距離とそんなに離れていません。

熊本の人気観光地として有名な石造アーチ橋「通潤橋」(つうじゅんきょう)の北側にある小高い山に築かれており、東側を除く三方が五老ヶ滝川に囲まれた要害となっています。

肥後・岩尾城

阿蘇惟豊が全盛期を築いたあと、八代日記によると、天文21年(1552年)3月5日「矢部惟豊岩尾城火事」とあり、岩尾城にて火災があったことが明記されています。

肥後・岩尾城

九州征伐にて小西行長宇土古城に入ると、矢部郷も小西家の領地となりました。
そして、結城弥平次や大田市兵衛が岩尾城と愛藤寺城を管理していますが、浜の館は再建されなかったようです。

1600年、関ヶ原の戦いの後、熊本城加藤清正が肥後52万石となると、1601年に長尾善政が岩尾城主になっています。

肥後・岩尾城

長尾善政がなくなると、家老・加藤正方の子である加藤正直が岩尾城主となりましたが、慶長17年(1612年)に幕命により内牧城へ移り、岩尾城は廃城となりました。

肥後・岩尾城

岩尾城への登城ですが、道の駅・通潤橋の駐車場利用が便利です。
下記写真は岩尾城から道の駅を見た写真です。

道の駅・通潤橋

五老ヶ滝川に掛かる歩道橋を渡った正面を5分ほど登ると、岩尾城の二の丸に出ます。

岩尾城

公園整備されていますので、スニーカー以上であれば装備は不要です。
観光所要時間は20分~60分といったところでしょうか?

肥後・岩尾城

浜の館と岩尾城への行き方・アクセスですが、熊本交通センターからバスで80分「通潤橋前」下車徒歩すぐです。
駐車場ですが、道の駅・通潤橋が便利で、下記の地図ポイント地点から下がったところが無料駐車場です。

阿蘇惟種の墓、阿蘇惟豊の墓も近くにあります。

有名な通潤橋とセットでどうぞ。

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城迷人たかだ

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高田哲哉と申します。
20年以上戦国武将などの歴史上の人物を調査している研究家です。
日本全国に出張して城郭も取材させて頂いております。
資格は国内旅行地理検定2級、小型船舶操縦士1級など。

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