出羽・稲庭城(いなにわ-じょう)は、別名を早坂館、鶴ヶ城、舞鶴城とも言う標高352mの山城で、比高は170mとなかなか堅固や構えです。
この手の城跡にしては大変珍しく、麓の国道398号線沿いから、山頂近くのに二の丸にのぼれる「スロープカー」と言う乗り物があり、簡単に高いところまで訪問することができるのは、非常にうれしい限りです。
日本三大うどんのひとつ「稲庭うどん」で有名な秋田県湯沢市稲庭町にあります。
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稲庭城の最初の築城は諸説ありますが、鎌倉時代の後期、建長年間(1249年~1256年)か、それ以前とされ、小野寺経道(小野寺六郎経道)が本拠地としました。
下総国大泉荘から、遠くこの地まで移住した可能性があります。
なお、小野寺氏は勢力を拡大し、湯沢にある大館、西馬音内城、湯沢城などに一族を配置しました。
戦国時代に小野寺氏は、出羽・横手城を本拠としていますが、引き続き、稲庭城も有力な支城として使われました。
1595年、豊臣秀吉の太閤蔵入地(直轄地)になっていましたが引き続き小野寺氏が領有を主張したため、代官であった最上義光の軍勢が小野寺領に進攻し、湯沢城と岩崎城を落としています。
そして、1596年に、稲庭城は、最上義光の3男・清水義親(清水大蔵大輔義親)ら3000の攻撃を受けて包囲されました。
稲庭城主・小野寺道勝(小野寺上総介道勝)は防戦するもむなしく、100名ほどで落ち延びています。
稲庭城が落城の際、城主である小野寺道勝が奥方の身代りに植えたとされる「夫婦の松」があります。
思いっきり、逆光でわかりにくいですが・・。
二の郭には「今昔館」(稲庭城)と言う模擬天守があり、稲川地区の産業などを紹介した資料館になっているほか、最上階は展望台になっています。
高いところですので、景色がなかなか良いです。
また、黄金の間と呼ばれる金箔尽くしの茶室も展示されています。
本丸までは、ここから狭い山道を入っていきますが、時間の関係で断念しました。
斜⾯⾛⾏モノレール「スロープカー」は、身延山や天橋立ビューランドでも使用された嘉穂製作所が製造・設置した乗り物で1993年に導入されました。
スロープカーと、二の丸にある展望資料館の利用は4月中旬頃から11月上旬頃までで、冬期は閉鎖されています。
営業時間は午前9時30分から午後4時30分で、休館日が毎週火曜日になっています。
入館料は大人430円で、スロープカー往復利用を含みます。
なお、スロープカーは、15分間隔で運行されており、片道約5分の所要時間となります。
スロープカーは、出発する際「御立~ち~」というアナウンスが流れましたので、趣向をこらしていると思います。
ただ、往復とも、乗務員さんと私ひとりと言う、なんとも言い難い雰囲気でした。
お話をしようにも、説明の車内放送が結構、音量が大きいので、お互い黙って、到着するのを待つと言う感じでした。
動画でもスロープカーを撮影してみましたので、よければ、ご覧頂けますと幸いです。
下記がスロープーカーの乗り場です。
朝9時25分頃到着し、最初のスロープカーの前にあるチケット売り場近くでウロウロしていましたら、チケットは、駐車場の反対側にある売店で購入してくださいと言われました。
天守閣に入る際にも、チケットを係員さんにお見せする必要がありますので、無くさないよう注意が必要です。
そして、天守閣を出る際には「スロープ呼びますか?」と聞かれましたので「お願いします」と答えると、下に電話してくれました。
交通アクセスですが、電車の場合、JR奥羽本線・湯沢駅から羽後交通「小安温泉行き」路線バスに乗車して30分、下早坂バス停下車すると登城口になります。
無料駐車場が、スロープカーの乗り場に併設されていますので、当方のオリジナル地図にて分かるようにしておきます。
なお、二ノ丸へは地図にも表示されている道路がありますが、徒歩で入れるのみで、一般車両は通行禁止です。
ちなみに徒歩で行くと模擬天守に入る料金を支払えません。
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見学所要時間ですが、往復のスロープカートと天守閣の見学だけで、約30分といったところです。
しかし、比高170mをスロープカーにて5分で登れるのは、非常にありがたいです。
東北では、船岡城にもスロープカーがありますが、安土城、観音寺城、小谷城、竹田城、山崎城、高取城、立花城など、日本全国の山城にも、ぜひ、導入して欲しいと、ものすごく感じました。
・横手城 小野寺氏が本拠地にした出羽の拠点
・出羽・岩崎城 小野寺家と最上家が争った羽後
・小野寺輝道(小野寺景道)とは
・八柏道為 小野寺氏を最盛期に導いた軍師
・楯岡満茂とは
・小野寺義道 仙北一揆で所領を減らし関ケ原の戦いで改易
・出羽・湯沢城 小野寺経道の本拠地で佐竹南家が整備した山城
・西馬音内城 小野寺茂道(西馬音内茂道)の苦難
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