長野県

信濃・富士見城(大室城)~徳川家臣で弓の名手である柴田康忠

信濃・富士見城(大室城)




信濃・富士見城(ふじみ-じょう)は、小諸市諸字飯縄山にある標高836m、比高130mほどの山城となります。
別名は大室城とも言いますが、小諸城はかつて小室城とも言いましたので、何か関連がありそうです。

最初の築城は不明ですが、大井城主の大井氏が、滋野氏の侵攻に備えて築いたともされます。
佐久ではかなりの高所にある山城で、本丸からは佐久や滋野方面が一望できますので、監視するのには都合が良い山城です。

信濃・富士見城(大室城)からの展望

天気が良ければ、その名のとおり富士山も見えるようです。
しかし、天気が良くても見えませんでした。
距離がありますので、空気が澄んでいないとダメなようで、富士山を望める日は、そんなに多くないでしょう。

富士見城からの展望

1582年、武田滅亡後に依田信蕃が小諸城に入って、佐久を平定しようとしますが、このとき、徳川家の家臣である柴田康忠(柴田七九郎康忠)が、富士見城主であったと言います。
柴田康忠は、依田信蕃が岩尾城の戦いで鉄砲で討死した際の、徳川勢の軍監を務めていましたので、優秀な武将ではあったようです。

信濃・富士見城(大室城)

七九郎と言う名は、徳川家康が与えたようで、下記のようなエピソードがあります。

徳川家康が今川氏真から独立してまもない三河一向一揆でピンチになります。
このとき、上和田の戦いで、合戦のあと、敵軍にて討ち取られた兵の処理を行っている際に、徳川勢(松平勢)が放った「弓矢」を確認していたと言います。
自分が放った弓矢が、自分の物であるとわかるようにと手柄がハッキリするように、弓には名前を入れていたのです。
そして、弓矢にある松平勢のとある武将名が多くあることがわかりました。
その弓矢を確認しますと、同じ名前の矢が全部で63本もあったと言います。
感心した敵は、交戦相手の徳川家康に対して、綺麗にした矢に書状をつけて送ったと言います。

その弓の名手の名は柴田孫九郎政忠。

信濃・大室城

受け取った徳川家康は、自分の名前から「康」の字を与え「康忠」と名乗らせました。
また、通称の孫九郎も、七九郎に改名させて、家紋にも七と九を入れるようにと命じたと言います。
なんでも、七と九と言うのは、掛け算すると63になると言う理由からだったようです。

信濃・富士見城

甲斐攻めでは、大久保忠世らと共に信濃・高島城に滞在していたようですが、その後、大久保忠世が依田信蕃の後見になったように、柴田七九郎康忠は軍監を努めたようです。

信濃・富士見城

その後、徳川家康が関東に移封となると、1591年、武蔵国の菖蒲と私市(騎西)にて、柴田康忠は5000石となっています。

信濃・富士見城(大室城)

仙石秀久が小諸城主となってあとも、小諸城の支城として富士見城は使われたようですが、現在見られる石垣(石積み)などに、いつ改修されたのか?
石垣と申しましても、高さはあまり無く、斜面崩落を防ぐ程度の積み方でして、武田家なのか徳川家なのか仙石家なのか?、よくわかっていません。
ただし、信濃の山城にて、これだけ多くの石積みをたくさん使用しているのは、珍しいです。

信濃・富士見城(大室城)

現在の富士見城跡は、飯縄山公園として整備されています。
よく、城跡紹介で整備されているとご紹介しますが、整備されたあと、放ったらかしの城跡が多い中、この富士見城はきちんと管理も行われていて、散策もしやすいです。

信濃・富士見城(大室城)

現在、富士見城址のちょうど真下を、上信越自動車道のトンネルが貫通していますが、城跡の遺構にはほとんど影響していません。

信濃・富士見城(大室城)

交通アクセスですが、本郭の脇に小諸市立・小諸高原美術館・白鳥映雪館があることから、クルマで登っていけることができ、舗装されている無料駐車場も完備されています。
見学所要時間は15分~30分といったところです。
駐車場の場所は、当方のオリジナル地図にてわかるようにしてあります。

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(株)TOLEDO、高田哲哉と申します。
20年以上戦国武将などの歴史上の人物を調査している研究家です。
日本全国に出張して城郭も取材させて頂いております。
資格は国内旅行地理検定2級、小型船舶操縦士1級など。

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