山梨県

安田義定館 (甲斐・小原館)の解説【甲斐源氏・安田義定とは】

安田義定館 (甲斐・小原館)

スポンサーリンク



安田義定館 (甲斐・小原館)

安田義定館 (やすだよしさだ-やかた)は、山梨県山梨市小原にある平城(館跡)。
別名は、小原館とも言う。
安田義定の館と伝わる場所は3ヶ所あり、大菩薩峠への途中である塩山下小田原の福蔵院付近、小原西の妙音寺か、JR東山梨駅からほど近い小原東の西願寺が候補地となる。
福蔵院の場合、ちょっと山に入った黄金沢近くにある。
黄金沢ではかつて「砂金」が取れたと言うので、福蔵院の場合には本拠の館跡と言うよりは管理屋敷があったものと考えて良いだろう。
残るは妙音寺と西願寺だが、このように複数の説がある場合、小生は両方とも正しい事があると考えている。
恐らく、時期はずれていて、途中で引っ越しなどして両方使用していたのかも知れない。
西願寺の場合、境内と隣接する住宅地一帯に館があったようだ。
約100m四方の居館と考えらるが遺構などは何もない。
館主・安田義定は平安時代末期~鎌倉時代初期の武将である。


スポンサーリンク



安田義定とは

安田義定(やすだ よしさだ)は、甲斐源氏の祖とされる源義光の孫・源清光の子、または源清光の父・源義清の子ともされ、1134年に生まれた。
平安後期に甲斐源氏は甲府盆地の各地に進出した。
そして、甲斐国山梨郡八幡荘内の安田郷を与えられると「安田氏」を称した訳だ。
安田義定は牧荘・安多荘などにも進出し、妙音寺付近にも館を構えたとされる。

1180年、源頼朝石橋山の戦いへと挙兵した際に、平家側の俣野景久と駿河目代・橘遠茂が甲斐へ攻め込んだ。
この時、甲斐源氏側では安田義定と工藤景光・工藤行光、市川行房などが迎撃し、波志田山の戦いとなっている。
そして、平維盛との富士川の戦いでは、甲斐源氏の棟梁である武田信義一条忠頼らと平維盛を撃破。
この、富士川の戦いで武功にて、源頼朝は武田信義を駿河国守護、安田義定を遠江国守護に任じている。

木曾義仲が上洛した際に、安田義定は大内裏守護として京中の警護にあたり、宇治川の戦いでは源範頼源義経の追討軍に加わり勝利した。

一の谷の戦いで、安田義定は平経正(河越小太郎重房)、平師盛(河越小太郎重房、畠山重忠)、平教経を討ち取っている。
長男の安田義資も越後守に任ぜられた。

1184年、安田氏の菩提寺として放光寺(塩山市藤木)を開創。

その後、源頼朝は甲斐源氏の粛清を図り、元暦2年(1184年)には一条忠頼、文治元年(1185年)には秋山光朝も殺害されている

安田氏も例外ではなく、建久4年(1193年)、永福寺薬師寺堂供養の際に、安田義定の子・安田義資が院の女房に艶書を送った罪を問われ、安田義定は所領没収となった。(梶原景時の讒言)
翌年の建久5年(1194年)、謀反の疑いにて梶原景時と加藤景廉が追討軍となって甲斐に派遣されると、安田義定は梟首(永福寺事件)。享年61。

安田氏の滅亡後、牧庄などの遺領は加藤景廉に与えられたとされる。

山梨市下井尻の雲光寺(神龍山・雲光禪寺)には安田一族の墓所とされる大五輪塔群がある。
またね山梨市牧丘町西保下918番地3には、伝安田義定の墓もあると言う。


スポンサーリンク



安田氏の生き残りは大江氏に仕え、常陸国粟屋に住むと粟屋氏を称している。
また、大江氏が安芸国に移ると、後に毛利家の重臣としても安田氏は活躍した。
若狭に移住した一族は若狭・武田氏の重臣にもなっている。
武田信玄の末子・武田信清も安田氏の名跡を継ぎ、越後の上杉氏に仕えている。

交通アクセス

小原東の西願寺がある場所への行き方としては、JR中央本線の東山梨駅から徒歩約10分。
駐車場はない。

甲斐・小田野城の解説~安田義定・跡部景家に関連する山城
甲斐・琵琶城のちょこっと解説~武田一族・倉科信広
栗原氏館 (武田金吾屋敷)の解説~武田氏に匹敵する勢力を誇った栗原氏の祖・栗原武続とは
中牧城(浄古寺城)には天守があった可能性も?~内藤信成が城主で規模もある甲斐の城跡
甘草屋敷(旧高野家住宅)みどころ・駐車場【山梨県甲州市塩山】塩山駅前で便利な観光スポット
関東周辺のお城や史跡などの訪問に便利な地図


スポンサーリンク



コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

城迷人たかだ

投稿者の記事一覧

高田哲哉と申します。
20年以上戦国武将などの歴史上の人物を調査している研究家です。
日本全国に出張して城郭も取材させて頂いております。
資格は国内旅行地理検定2級、小型船舶操縦士1級など。

都道府県別


スポンサーリンク

只今人気のお城

城めぐり 2400城超えました

城めぐり
PAGE TOP