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坂部城(阿久比城)とは
坂部城(さかべじょう)は、尾張国知多郡阿久比にある平山城で、阿古屋城、阿久比城、阿古居城、英比城とも言う。
最初の築城は不明だが、戦国時代初期の武将・久松定益が阿古居の館(阿古居城)(あぐいじょう)を築いたとされる。
現在の坂部城は城祉公園として整備されているが、半分は阿久比図書館になっている。
久松氏はもとは菅原姓とされる。
なんでも、菅原道真が九州・大宰府に配流となった際に、菅原道真の子や孫も全国各地に流された。
孫のひとり菅原雅規は阿久比にて謹慎となったようだが、菅原雅規の幼名は久松麿(ひさまつろ)、英比殿(えいびどの)だったとも言う。
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南北朝時代、菅原氏長の子・菅原長俊は後醍醐天皇に仕え、笠置城の戦いで討死している。
室町時代には尾張守護・斯波氏に従い、久松道定のとき阿古居郷(7000貫)に下向して家名を久松氏と代え、久松定範は尾張国知多郡の目代となった。
10代・久松定益(ひさまつ さだます) は久松定光(久松定氏とも?)の子とされ、菩提寺「洞雲院」も建立している。
尾張・大野城(知多)の佐治氏とはよく合戦になっていたようで、緊急事態の際に山に登って貝を吹くと、久松定益の母方の叔父・苅屋吉重や小川定英らが城に駆けつけたと言う。
1510年に久松定益が死去すると子の久松定義が家督を相続した。
斯波氏が没落すると久松氏は織田氏に従ったようで、久松定義は織田信秀のもとで軍功があったとされる。
その子・久松俊勝が久松氏としては有名である。
久松俊勝(久松長家)に関しては下記にてご紹介しているため、ここでは重要なところのみ解説させて頂く。
久松長家(久松俊勝)のわかりやす解説~於大の方の再婚相手である尾張・坂部城主
いずれにせよ、1547年、刈谷城近くの椎の木屋敷にいた徳川家康の母「於大の方」が、坂部城主・久松俊勝のもとに再婚して一緒に住むことになった。
於大の方は約15年間、熱田や駿府で人質となっていた徳川家康に手紙や衣類を贈ったと言う。
1560年、桶狭間の戦いに向う際に徳川家康は、母・於大の方と再会を果たすが、その感動の場はこの坂部城であった。
そして徳川家康は久松俊勝と於大の3人の子(松平康元・松平康俊・松平定勝)に松平姓を与えて家臣に組み込んでいる。
これを久松松平家(ひさまつまつだいらけ)と呼ぶ。
こうして久松氏は三河統一に貢献し、1562年に鵜殿長照が守る三河・上ノ郷城を攻略すると上ノ郷城を与えられている。
久松俊勝らは上ノ郷城に移ったと考えられる。
久松信俊
久松信俊(ひさまつ のぶとし)は戦国時代の武将で久松俊勝の子。
生年は不明。
母は、大高城主・水野大膳の娘。
妻は佐治対馬守娘。
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清洲同盟により坂部城(阿久比城)は織田信長の支配下となったことから、徳川家康と血縁がない久松信俊(久松俊勝の子)が阿久比城を継ぎ、尾張・大野城(知多)の佐治氏と共に織田家の家臣となった。
その後、1575年に水野信元が武田勝頼に通じたと佐久間信盛の讒言で殺害される。
そして、水野氏の領地が佐久間信盛のものになると、坂部城(阿久比城)の久松信俊は佐久間家の与力に配された。
しかし1577年、織田信長から謀反の疑いを掛けられた久松信俊は、石山本願寺を攻めの途中、大阪・四天王寺で自刃。
そのため、家老・坂部藤十郎が守る坂部城も佐久間信盛の手勢に攻められて落城・炎上したとされる。
久松信俊の子らも殺害された。
ただし、松平姓を名乗っていた於大の方の3人の子は、下総・関宿城2万石、下総・多古城1万石、掛川城3万石などとなって久松松平家は存続している。
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坂部城の御城印は、阿久比町観光協会(阿久比町役場2階・産業観光課)にて販売されていると言う。
交通アクセス
坂部城(阿久比城)への行き方としては坂部駅から近くと徒歩圏内だ。
駐車場の場所は当方のオリジナル地図「名古屋・北陸方面」にてポイントしている。
オリジナル地図「名古屋・北陸」方面
スマホ画面などで表示して「検索窓」から検索して、カーナビ設定することでも使用可能。(徒歩ナビとしても可能)
・久松長家(久松俊勝)のわかりやす解説~於大の方の再婚相手である尾張・坂部城主
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