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尾張・大野城(知多)
尾張・大野城(おおのじょう)は愛知県常滑市金山の青海山にある平山城で標高は49m、比高35m。
別名は宮山城とも言うようだ。
なお、尾張の愛西市にも尾張・大野城があるので混同しないよう注意が必要。
尾張・大野城(知多)の最初の築城は南北朝時代の1350年頃とされ、三河国守護である一色範氏が知多半島を攻略し、子の一色範光が尾張・大野城(知多)を築いて大野湊から伊勢湾の海運を担ったようだ。
佐治氏(さじし)と言うと足立一族で丹波国氷上郡佐治郷の山垣城に残った丹波・佐治氏が有名だが、大野・佐治氏は近江・佐治城が出自ともされ定かではない。
戦国時代初期には尾張守護の土岐氏が大野城を支配しており、重臣の佐治宗貞が尾張・大野城(知多)/尾張・宮山城を本拠として緒川城の水野氏に対抗した。
領地は3万石とも6万石ともされる。
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1531年、2代目・佐治為貞(さじ-ためさだ)は、父・佐治宗貞の菩提を弔うため齊年寺(さいねんじ)を創建し、雪舟の「慧可断臂図」を寄進している。
佐治水軍を率いた佐治氏は、1560年、桶狭間の戦いのあとに清洲城の織田信長に臣従。
3代・佐治信方(さじ-のぶかた)のは妻として織田信秀の娘・お犬の方(織田信長の妹)を迎えた。
お犬の方は、お市の方の姉とも妹さもされる。
佐治一成
佐治一成(さじ-かずなり)は戦国時代の武将で佐治信方の嫡男として1569年に生まれた。
母はお犬の方(織田信長の妹)、大野殿、大野姫、四方様。
父・佐治信方は織田信忠に従い、伊勢・長島城の戦いに参じたが1574年(1571年とも?)に討死。(享年22とも)
そのため、幼少の佐治一成が家督を相続した。
於犬の方は実家の岐阜城に戻り、茶々の後見を務めたあと、羽柴秀吉の仲介?で山城・槙島城の細川昭元に再嫁し1581年に細川元勝を産んでいる。
1582年、明智光秀による本能寺の変で織田信長が没すると、清須会議にて尾張国は織田信雄に与えられ、佐治一成は家臣に組み込まれる。
1584年はじめ、羽柴秀吉の意向か?、11歳前後のお江(浅井長政の娘、お市の方の娘)が佐治一成に嫁いたが、3月にの小牧・長久手の戦いとなった。
このとき、徳川家康が三河・岡崎城に戻る際に、佐治一成は佐屋街道の渡しにて船を提供したことから羽柴秀吉の怒りをかい、お江(小督)は離縁となり大坂城に帰り佐治一成は追放された。
そして、織田信雄から織田長益(織田有楽斎)に知多郡が与えられた。
しかし、尾張・大野城(知多)の周りは水はけがよくないと言うことで、1584年から新城として尾張・大草城(知多)の築城を開始。
そのため、尾張・大野城(知多)は廃城となった。
なお、大草城が完成する前の1590年に織田信雄が改易され、織田長益(織田有楽斎)は豊臣秀吉の御伽衆として仕えることになり、尾張・大草城(知多)の築城はストップしており、尾張・大草城(知多)も廃城になっている。
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知多を追われた佐治一成は伊勢に蟄居し、伊勢・安濃津城の織田信包を頼っていたようだ。
1598年、織田信包が丹波・柏原に3万6000石で移封となると一緒に移動したとも言う。
江戸時代に入ってから織田信長と側室・お鍋の方の間に生まれていた娘・於振(おふり)を佐治一成は継室に迎えたと伝わる。
於振は、三河・水野藩の水野忠胤に嫁いでいたが、1609年に夫・水野忠胤は切腹・改易(所領没収)となっており、子供を水野家に残して佐治一成に再嫁したと言う。
1634年、佐治一成は京都にて死去。享年66。
下記は本丸脇にある佐治神社。
佐治神社の中に佐治一成の像もあった。
現在、尾張・大野城跡(知多)は城山公園として整備されており散策を楽しむことができる。
城型を模した展望台からは、伊勢湾の展望も良く、対岸から来る船も監視できたことだろう。
2kmほど北に大草城(知多)も見えた。
尾張・大野城(知多)の見学所要時間は駐車場からで30分程度。
交通アクセス
名鉄・常滑線に乗車して西ノ口駅から徒歩で約15分。
約20台の公園駐車場があるが、北駐車場からは登りがキツイので南駐車場(5台ほど)がお勧め。
駐車場の場所などは、当方のオリジナル地図「名古屋・北陸方面」にてポイントしている。
オリジナル地図「名古屋・北陸」方面
スマホ画面などで表示して「検索窓」から検索して、カーナビ設定することでも使用可能。(徒歩ナビとしても可能)
もちろん、尾張・大草城(知多)とセットでどうぞ。
このあとは常滑城に向った。
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