宮崎県

日向・高岡城(天ヶ城)と野村文綱(野村備中守文綱)

日向・高岡城(天ヶ城)

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日向・高岡城(たかおか-じょう)は、以前は内山城、麓城、天ヶ城(あまがじょう)とも呼ばれますが、ここに城ができたのは関が原の戦いのあとになります。
地元では「天ケ城」と呼ぶのが一般的なようです。

1600年(慶長5年)、関が原の戦いにて「中央突破」し、九州に戻った島津義弘は、八代に一泊て薩摩へと帰国します。
そのとき、伊東氏の家臣で、清武城主・稲津重政(稲津掃部助)が、伊東氏の旧領回復を試み、宮崎城を攻略して八代へと島津領へ進入し放火しました。
この時、島津義弘の主従数十名は、なんとか追撃を逃れて鹿児島に戻りますが、徳川勢の侵攻も警戒し、国境の防衛拠点にと、高岡城を改修しました。
その結果、6つの曲輪を持ち、広大で大規模な山城に変貌を遂げています。


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耳川の戦いなどで活躍した市来郷地頭の比志島国貞が高岡城から天ヶ城と改名されたここの城主を努めました。
薩摩から730戸もの武士が移住しましたが、一国一城令にともない、日向・天ヶ城(高岡城)も廃城となっています。
江戸時代でも高岡町は薩摩藩の所領となっており、麓(ふもと)とよばれる武士の集落がありました。

ただ、伊東48城にもなっているのですが、伊東家の地代には誰が城主だったのかなどは、調べてもわかりませんでした。
何かご存じの方がおられましたら、ぜひ、教えて頂けますと幸いに存じます。

標高は120mと、展望も抜群で、大淀川の雄大な流れや霧島連山、東には日向灘や宮崎市街地が望めます。

日向・高岡城(天ヶ城)からの展望

サクラやツツジの花見の場所としても、地元では有名で、樹齢40年のソメイヨシノは1300本もあります。
桜は3月下旬~4月上旬が見ごろです。
ツツジは5万本もあります。
下記のような子供向けの遊具も色々とありましたので、家族でも来れますね。

日向・高岡城(天ヶ城)の遊具

1993年にオープンした天守閣の模擬天守建物になっている宮崎市天ケ城歴史民俗資料館は入場無料ですが、土日祝のみの開館です。
ただし、桜の時期(3月15日~4月14日)は毎日開館になるようです。

日向・天ヶ城

なお、このような公園化によって、城跡や本来の遺構は、すっかり失われてしまっている模様です。

公園の真ん中には、お食事・おみやげ処の「天ヶ城茶屋」もありますが、平日は閑散としている公園ですので、経営が心配です。

その模擬天守の右脇に、野村文綱の墓と伝わる墓碑があります。

野村備中守文綱の墓

野村文綱(野村備中守文綱・野村刑部少輔文綱)は、伊東祐光の一族でもある内山城主・野村松綱(のむら-ますつな)の嫡子です。

野村備中守文綱の墓

父・野村松綱の妹・福園が、伊東義益の側室になっていました。
しかし、伊東大炊介が仲介した土佐の一条房基の娘・阿喜多が、都於郡城主・伊東義祐の跡継ぎである伊東義益の正室になり、福園は野村家に戻されたと言います。
しかしながら、それでも正室になった阿喜多は、福園に嫉妬したとされ、福園を殺害させました。
このため、野村党は主君・伊東義祐との関係が悪くなり、子の野村文綱は、伊東崩れの際、島津家に寝返ったと言うことになります。

その後、野村備中守文綱は、1586年、鶴崎城近くの乙津川の戦いにて、吉岡妙林尼らの追撃を受けて傷を負い、その後、亡くなったと伝わります。
野村氏はその後、薩摩藩士として存続したようです。
700石ともありますので、それが確かであれば重臣です。

日向・高岡城(天ヶ城)

日向・高岡城までの交通アクセスですが、宮崎駅または宮交シティからバス・高岡方面行きで約40分、高岡小入口下車。
城は山の上にありますので、バス停から約20分の登りです。

クルマの場合、山の上に無料駐車場がありますが、桜の時期などには有料駐車場になるようです。
地図は当方のオリジナル九州マップにて、駐車場の場所などわかるようにしてあります。
見学所要時間は散策だけであれば20分といったところです。

清武城~稲津重政と妻・雪絵の死
都於郡城~伊東家の本拠として素晴らしい大規模な山城
伊東義祐~日向から南九州の覇権を争うも伊東崩れで没落
伊東祐兵~所領を失うも巧みに戦国を生き抜き3万6000石にて復活
吉岡妙林尼~見事な采配と智略で鶴崎城を奪還した女性【乙津川の戦い】
宮崎城~戦国大名の伊東氏も一時本拠とした山城
九州の史跡探訪用オリジナル地図(カーナビ代わりにも)


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高田哲哉と申します。
20年以上戦国武将などの歴史上の人物を調査している研究家です。
日本全国に出張して城郭も取材させて頂いております。
資格は国内旅行地理検定2級、小型船舶操縦士1級など。

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