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三河・黒川城のちょこっと解説~熊谷実長と熊谷直安の逃亡先?熊谷玄蕃(平谷玄蕃)の蟄居先

三河・黒川城

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三河・黒川城とは

三河・黒川城は、愛知県北設楽郡豊根村上黒川老平にある山城で、標高は580m、比高60mほど。
別名は、黒河村古城とも言う。

最初の築城は不明だが、熊谷氏が黒川城主だったようだ。
熊谷氏はもちろん、熊谷直実の子孫にあたるのだろう。

戦国時代の1530年、徳川家康の父・松平清康が3000にて宇利城を攻撃した際に、今川家に従っていた宇利城の熊谷実長(熊谷備中守実長)が敗れたとある。
このとき、熊谷実長と子や一族は、宇利城から逃げ落ち、奥三河の山中へと逃れた。
そして、嫡男・熊谷直安が本拠にしたのが、三河・黒川城と言う事になる。

三河・黒川城

熊谷実長の次男・熊谷正直は、三河国額田郡高力郷を拠点にすると、はじめ梁田を称し、のち高力氏(こうりきし)と改名し、その子・高力重長は徳川家康の側近として活動している。(諸説あり)
高力清長は駿河・田中城から、武蔵・岩槻城主となり、江戸時代の高力忠房は3万石にて浜松藩主となった。

さて、安住の地を求め山深い豊根村兎鹿島に入った嫡男・熊谷直安だが、天文年間(1532年~1555年)頃ともされるため、宇利城の敗北後、少し放浪していたのかも知れない。
熊谷直安は5人の男子をもうけたが、帰農したとされる。
こんな山奥で人口も少ないところであれば、兵力を維持もできないので、帰農は妥当に感じる。


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なお、現地の説明では天正年間(1573年~1592年)に、信濃平谷からやってきた熊谷玄蕃なる武将が蟄居とたともある。
この熊谷玄蕃が黒川城下に来たのは1583年頃のようなので、武田勝頼が滅亡したのと関係があるのかも知れない。

熊谷玄蕃の子孫は、黒川城の東麓にて、江戸時代には庄屋を務めた。
現在、国指定重要文化財である熊谷家屋敷が残っているらしい。(お住まいの為、見学はできない)

他にも、天龍村の坂部を開郷したと言う熊谷家伝記によると、1575年、長篠の戦いに武田勢として参加した熊谷直定がいる。
その熊谷直定の従兄弟・蓮心が平谷玄蕃とも記載されているため、信濃・平谷から来た熊谷玄蕃と同一人物なのかも?知れない。
恐らく、熊谷氏は信濃・吉岡城下条信氏・下條氏長に従っていたものと推測される。
そして、1582年、織田信忠の甲斐攻めが始まると、下條氏は滝沢要害にて迎撃。
しかし、敗れて下条氏長、熊谷玄蕃、原民部らは織田信長に降伏し、下条信氏・下条信正らを追放たとある。


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ところが、武田滅亡後に本能寺の変となって織田信長が横死すると、追放されていた下条信氏の次男・下条頼安と下条信正の子・下条康長らが徳川家康の支援を受けて、信濃・飯田上にて下条氏長・熊谷玄蕃・原民部、下條氏長の実弟で長岳寺住職の祐教らを誅殺したとある。
熊谷玄蕃(平谷玄蕃)は、殺害されず謹慎となって三河・黒川城下に送られた可能性があるのかも知れない。
謹慎先は、親戚筋の家となることもあるので、黒川城を築いた同じ一族を頼ったとも?考えられる。

交通アクセス

三河・黒川城への行き方だが、電車・バスの場合、JR飯田線の東栄駅からおでかけ北設町営バス〔豊根東栄線〕に乗車して所要1時間20分、老平バス停、もしくは豊根村診療所前バス停にて下車。
バス運賃はとても安いが、本数が少なくあまり現実的ではない。
クルマのほうが良いが、駐車場が見つからなかったため、登城は断念した。
もしかしたら、トイレがあるところに止められるのかも?知れないが、反対側(城側)ばかり見ていたので気が付かなかったのかも。
近くに日帰り温泉「湯~らんど パルとよね」はある。

三河・黒川城への行き方だが、場所などは、当方のオリジナル地図「名古屋・北陸方面」にてポイントしている。
オリジナル地図「名古屋・北陸」方面
スマホ画面などで表示して「検索窓」から検索して、カーナビ設定することでも使用可能。(徒歩ナビとしても可能)

付近にコンビニや食堂などはないので計画的にどうぞ。

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城迷人たかだ

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高田哲哉と申します。
20年以上戦国武将などの歴史上の人物を調査している研究家です。
日本全国に出張して城郭も取材させて頂いております。
資格は国内旅行地理検定2級、小型船舶操縦士1級など。

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