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岩津城 ~三河・松平氏飛躍の城~


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岩津城(いわづ-じょう)は愛知県岡崎市にある標高75m、比高50m程の高さに築かれた山城です。

平氏の勢力拡大と岩津城築城の歴史

松平家初代とされる松平親氏は関東地方で鎌倉公方の軍勢に敗れ、諸国を流浪。
三河松平郷に流れ着き松平信重の婿養子となり、隣村林添(はやしぞれ)の藪田源吾を討ち取った事を手始めに、中山七名と呼ばれる諸豪族を従え勢力を築く事に成功しましたが、いずれも山間の地だったため平野部への進出を目論みます。


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三河・岩津城は松平親氏の子(弟などの異説有)松平泰親と、その後を継いだ松平信光の代に中根大善(岩津大善)を滅ぼした後に築かれた城で、応永28年(1421年)頃の築城と言われています。
立地を見ると、松平郷の眼前に支流が流れる巴川と矢作川が合流する地点から南に3km程で、矢作川に山麓が迫り、南には真福寺街道が通り、さらにその南には平野部を望むと言った交通の要所に築かれています。
信光は約50年もの間この岩津城を本拠とし、攻め落とした地に多くの息子達を配して松平家隆盛の礎を築きました。

アクセスと登城まで

交通アクセスですが、公共交通機関を利用する場合、名鉄東岡崎駅北口バス停より奥殿陣屋行、または三河上郷行に乗車し岩津天神口バス停下車(乗車時間約25分)。
バス停からは徒歩5分程度で登城口に到着します。
自家用車の場合は駐車場がありませんので、城の東側に位置する岩津八幡宮か松平信光が創建した信光明寺に参拝した後、了解を得てから駐車場をお借りするなどしてください。

登城口は住宅地の中の判りにくい場所にありますが、岩津町市場の信号交差点脇に看板があり、看板脇の東に入る路地を真っすぐ進むと、U字型に道路が曲がっている部分の先に岩津城の観光看板が見えてきますので、その脇から登城する事になります。
登城口1
※以前は信光明寺近辺からも登城できましたが、個人の方の所有地内を通るため、通行できないようになっています。
現在の登城口も民家のすぐ脇を通るため、大声を出したり、ゴミの放置などの迷惑行為は慎み、マナーを守って登城するようにしてください。

登城口が見えると、すぐに登城したくなると思いますが、少し我慢して道沿いにUターンしながら進むと、岩津城の観光看板が立てられている場所に出ます。
観光看板
看板の位置からは、岡崎城を含む平野部が一望できますので、天気の良い日はぜひ立ち寄ってみてください。
看板脇から平野を望む

登城

岡崎観光文化百選の看板が登城口の目印となっています。
登城口2
土の城ですが階段も整備されていて登城はしやすくなっています。
階段
登り始めると、お地蔵さんがあり分岐していますが、左側に曲がって下さい。(右に進むと私有地になります)
小道の脇にある堀切や曲輪を見ながら進むと本曲輪へと通じる土橋が出てきますが、土橋の前を通り過ぎると南郭へと入る事ができます。
土橋2
土橋を渡った先の本郭は竹林に囲まれ見通しもよくありませんが、内部は広く削平されており、信光が50年もの間本拠とした事を思わせ、土塁跡と思われる少し高くなった地に城址碑が立てられています。

その後の歴史と現在

文明3年(1471年頃)松平信光は、和田親平の安翔城を攻略して本拠地を移しますが、岩津城には一族を入れて守らせる事となります。
永正5年(1508年)今川氏親の命により、伊勢宗瑞(後の北条早雲)率いる今川軍が岩津城を攻撃。
対する松平勢は安翔城から援軍を繰り出し応戦し撃退に成功しますが、岩津勢の消耗は激しく、岩津松平家は衰退の道を辿る事となります。
その後、小牧長久手の戦いの際に徳川家康が改修を行ったと伝わりますが、三河・岩津城は歴史の中に埋もれていきました。

現在、岩津城の東に東名高速道路が通っていますが、開通以前は岩津天満宮とは山続きとなっていたと言われています。
住宅地の中にありながら、遺構は良く残されており、写真以外の土塁や堀切などが明確に存在する上、城内の通路も整備されているため、訪問しやすい山城の一つとなっています。


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近隣には岩津七城と呼ばれる城館があったと言われていますが、現在は宅地化も進み、明確に遺構と呼べる物は多くありません。
岩津天神口の2つ手前にある東蔵前のバス停から南西200m程の地には、徳川四天王の一人本多忠勝の生誕地がありますので、時間があれば寄ってみるのも良いと思います。
本多忠勝生誕碑

岩津城
愛知県岡崎市岩津町東山

岩津天満宮
愛知県岡崎市岩津町東山53


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信光明寺
愛知県岡崎市岩津町東山47

本多忠勝誕生地
愛知県岡崎市西蔵前町峠37

(寄稿)だい

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だい

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愛知県在住の会社員です。
休日には県内の城巡りをしており、愛知県内にある1,300以上ある城館を全て制覇する事が当面の目標。
モットーは「どんなマイナーな土地にも歴史はある!」
愛知県出身の有名武将は数多く存在しますが、それ以上にマイナーな武将や城も多数存在しています。
そんなマイナーな武将やお城を歴史好きの皆様にご紹介できるような記事を書いて行きたいと思います。

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