韮山城とは
韮山城(にらやまじょう)は静岡県伊豆の国市韮山にある平山城で、標高は50m、比高は35mほどになります。
丘陵に沿って縦に曲輪が連なっているためか、別名は龍城とも言います。
今回は、車を止めやすい、韮山城の東にある城池親水公園の北西端から登りました。
韮山城の本城・本郭は標高48m、麓の道路との標高差である比高は35mです。
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現在でも曲輪や土塁の跡などが残されており、城池公園から堀切道を登って「権現曲輪」から「塩蔵址」まで、散策路が整備されていますが、三の丸は高校のテニスコートになっています。
下記はその三の丸の土塁です。
韮山城の築城は、1480年頃に堀越公方である足利政知の家臣・外山豊前守が造営したのが始まりとされています。
その後、伊勢盛時(北条早雲)が1491年に堀越公方・足利茶々丸を滅ぼすと、伊勢盛時(北条早雲)は韮山城を本拠地とし改修しました。
韮山城内にある熊野神社は、1500年に勧請したものであることから、この頃までに築城されたものと考えられています。
下記は権現曲輪です。
そして、北条早雲は韮山城を拠点に伊豆の諸城を攻略し、相模の小田原城も手に入れますが、最後まで韮山城を本拠として没しています。
その後も小田原城の北条家にとって、伊豆支配の重要拠点であり、北条氏康の5男・北条氏規が韮山城主となりました。
このように韮山城は、北条家5代、約100年の栄華の最初と終焉を、まさに見てきたことになります。
北条家滅亡後は、徳川家康の家臣・内藤信成が10000石にて韮山城主となりましたが、1601年に駿府城40000石に転封したあと、韮山城は廃城となっています。
韮山城への登城口は、東の池側に2箇所と、西の韮崎高校脇に1箇所と、現在合計3箇所ありますが、すべて熊野神社のところに繋がり、そこから本丸部分へ南下する道は1本となります。
かつての韮山城は、現在見学できる主城(龍城山・標高41.7m)だけでなく、南東にそびえる標高128m程の独立丘の各所に城砦を築いた難攻不落の大城砦群となっていました。
堀切が何箇所もあります。
下記の階段を登ると、いよいよ韮山城の本丸です。
下記写真が韮山城の主城(龍城山・標高41.7m)本丸です。
写真の背後に見えるのが標高128mの山頂に天ヶ岳砦(天狗岳砦)方面です。
その西北に主城があり、城池を挟んで、東に江川砦、主城の南に土手和田砦、さらにその東南に和田島砦とあり、城砦は尾根を通じてそれぞれ連絡していました。
現在は整備されておらず、それらの砦を見るのは困難です。
しかし、豊臣勢に攻撃された時には、天ヶ岳砦(天狗岳砦)を中心に籠城したのではないかと感じました。
そうでないと、この程度の本城(本郭)である韮山城部分だけでは、簡単に落ちたと想像できます。
しかし、豊臣勢も恭順派の北条氏規が守っていると言う事で、いずれ降伏するだろうと、無理には攻めなかったのかも知れません。
下記は、韮山城(本城)の本丸から富士山方面の展望です。
城主の屋敷があったのは、現在の韮山高校と考えられており、御座敷と言う地名が残っていることから、北条早雲の居館跡とされています。
韮山城の本丸から更に行けるところまで、南下してみます。
おやっ?、なんか窪みのようなものが見えてきました。
韮山城の煙硝曲輪でして、火薬庫であったと推定されています。
埋められずに、ここまで明確に残されている煙硝曲輪は、非常に珍しいです。
しかも、左右にと2つ連続しており、地元では塩蔵址と呼ばれています。
その煙硝曲輪の南先端まできました。
この先は、大堀切となっており、現在、見学できるのはここまでですので、引き返す事になります。
現在の韮山城は、その敷地のほとんどが、韮山代官・江川太郎左衛門のご子孫である江川家の所有となっています。
立入禁止ではなく、ご好意で開放されていますので、感謝しつつ訪問したいところです。
韮山城の見学所要時間は30分といったところでしょうか?
富士山がキレイな時に是非、訪れてみて下さい。
下記は城池親水公園の池です。
韮山城に車で向かう場合、江川邸脇の無料駐車場も利用できますが、一番近いのは下記の地図ポイント地点にある城池親水公園の駐車場です。
ただし、例によって「釣り」をする方が車をお止めになられています。
平日でも結構、車が止まっていましたので、土日祝は運が悪いと満車かも知れません。
地図は縮尺を変えてご覧願います。
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