村上海賊(村上水軍)が日本遺産に認定されたのは記憶に新しいですが、そんな村上海賊の資料などを展示しているのが因島にある因島水軍城となります。
因島水軍城は、広島県尾道市の因島にあります。
誤解が無いように申し上げておきますが、ここに村上水軍の城があったと言う事ではありません。
山の上からも海が見えると言う訳ではないので、水軍の砦としても機能していなかったと推測致します。
資料館の名前が因島水軍城と言うことで、その建物が模擬天守の形をしていると考えて下さい。
千葉の関宿城、埼玉の騎西城、尾道城(閉館)と同じです。
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駐車場にクルマを止めて、因島水軍城を目指します。
駐車場地点が標高29mで因島水軍城が標高68mですので、駐車場からの高低差は39mと、ちょっとした運動です。
坂道は完全に舗装されていますので、スニーカーでも問題ありません。
下記のような立派な門もありますので、なかなか楽しませてくれます。
やがて「櫓」が近づいてきました。
櫓の中は無料の展示室となっています。
ちなみに、下記写真の背後にある山は「片刈城」で、石垣が残されているようですが広島県の調査でも築城者や城主などの詳細は不明となっています。
写真にある櫓の隣にある大きな建物が資料館で有料拝観となります。
資料・展示としては、村上水軍の甲冑や刀剣、戦術を記した巻物などがあります。
ただし、撮影禁止なので、写真はありません。
西へと繋がる尾根沿いから麓にある金蓮寺へと向かいます。
因島水軍城はなんと「定休日」があります。
毎週木曜日(祝日除く)がお休みですので、私のように平日に訪れる場合には、登ったら閉まっていたなんて事にならないよう、注意が必要ですが、結構平日でも訪れている観光客はちらほらおりました。
年中無休になれば、もっと皆さま訪れやすいくなると思います。
また、年末年始の12月29日~1月1日もお休みとなります。
金蓮寺と村上水軍代々の墓
麓にある金蓮寺(こんれんじ)は、因島村上家の菩提寺です。
因島水軍城にある村上水軍の菩提寺「金蓮寺」は、因島村上氏となる青陰城主・村上吉資(村上備中守吉資)が1450年に創建したとされています。
正確に申し上げますと、村上吉資(村上備中守吉資)を頼って逃れて来た、備後・鳴滝城主(尾道市)の宮地弘躬(みょうこう)と、子の村上資弘(宮地大炊助資弘)が、村上備中守吉資の為にと「寺」を建立することを思いついて、外浦にあった金蓮廃寺を移して再興したようです。
ちなみに、宮地弘躬は大江城主となり、村上家の重臣に列しました。
山門なども、とても立派な建造物です。
戦国時代の境内はもっと広大で、正式名称は「宝鏡山金蓮寺」(ほうきょうさんこんれんじ)となります。
金蓮寺には因島村上水軍代々の墓(五輪塔)がありますので、どちらかと言うとこの金蓮寺への訪問が今回の主な目的であり、ついでに因島水軍城も見て置いたと言う形になります。
村上水軍歴代の宝筐印塔が18基あり、他にも五輪塔が多数ありますが、各地に点在していたのをココに集めた結果と言う事です。
そのため、どの石塔が誰の墓石なのかはほとんど不明との事です。
また、夜間の暗いなか、宝筐印塔や五輪塔の移動を行ったため、背に背負って夜道をころびながら運んだため「こけこけ参る金蓮寺」という言葉も伝わっていると言います。
下記の階段から墓地に入って右手に折れますと村上家の墓所があります。
なお、墓の文字は風化が激しく、唯一人物が確認出来るのは、因島村上家・第7代の村上吉亮の墓で、戒名「月山浄円禅定門」が一致します。
前列の左から2番目が村上吉亮の墓となります。
下記が村上吉亮の墓です。
金蓮寺の棟札からですと、1449年に村上吉資の名がありますので、因島村上氏が竹原小早川庶家の小泉氏に代わってその頃までには因島を治め始めたようです。
村上家が因島を離れたあと、この金蓮寺は廃れてついに廃寺となりましたが、江戸時代の1790年に長福寺・大巧百拙和尚により再興されました。
戦国期には多くの堂宇もあった金蓮寺も、村上水軍の栄華と共に歩んだ歴史を伝えています。
さて因島水軍城の無料駐車場ですが、下記の地図ポイント地点となります。
上記の駐車場が満車の場合には、もっと手前に広い駐車場がありますが、坂道を余計に歩く必要があります。
因島水軍城と金蓮寺の観光所要時間は約30分でした。
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