桂ヶ岡砦跡(かつらがおか-ちゃしあと)は、国の史跡にも指定されている、近世アイヌ文化期(江戸時代)のチャシの遺構です。
JR釧網本線沿いの舌状台丘陵地にある桂ヶ岡公園内に位置します。
オホーツク海をのぞむ網走の小高い丘に築かれているアイヌの砦(チャシ)跡となりますが、規模が大きく、保存状態もよい北海道の代表的なチャシ跡となりますが、日本語名で桂ヶ岡砦と呼ばれているのは少し珍しいです。
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北海道でよく使用されるチャシ(砦)名の場合、桂ヶ岡砦跡はチャランケチャシと呼びます。
他にも「イシメシナイチャシコツ」(犬が熊を見つけて吠える沢にある砦)、「リンナイサノプツンチャシ」(網走川の海のほうの川口にある砦)とも、呼ばれていたようです。
網走アイヌが斜里アイヌと戦った際の砦とも言われています。
チャランケと言うのは、話し合いをした、談判や裁判をしたという意味だそうです。
なんでも、丘陵に防御性を持った空堀をともなう大小2つのチャシが築かれていて、アイヌの先住民はその上に立って、向かい合いチャランケ(談判)したとされています。
釧路のハルトルチャランケチャシも同じような意味合いですね。
1935年(昭和10年)12月24日に国の史跡に指定されました。
ちなみに、網走は「ア・パ・シリ」(我らの見つけた地)、または「アパ・シリ」(入り口の地)と呼ばれていたからとなります。
交通アクセス・行き方ですが、JR桂台駅からだと徒歩3分、網走バスターミナルからは徒歩6分、JR網走駅からは徒歩15分となります。
国道244号線 の南6条東2の交差点から、釧網本線の踏切を渡ったカーブ途中右手にある。
網走市立郷土博物館が隣接しており、駐車場(5台)を利用可能ですが、博物館に繋がる道路沿いも比較的広くて駐車可能でした。
当方のオリジナル北海道地図にて正確な場所がわかるようにしてあります。
注意事項としては、当たり前ですが、塁壕の破壊をなさざること、其他指定地域内の現状を変更しない事とありました。
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