小野路城とは
小野路城(おのじじょう)は、東京都町田市小野路町にある平山城です。
鎌倉時代の趣が今でも感じられる、小野路城を訪れてみました。
わかりにくいところですので、先に小野路城の場所を地図でご案内させて頂きます。
地図は縮尺を変えてご覧願います。
上記地図のポイント地点が本丸がある場所です。
本丸には東側の遊歩道(未舗装の旧鎌倉街道)から登って行ける他、西側からでもアクセス可能です。
いずれにせよ、すぐ近くまで車で入る事はできませんので、歩いて行く事になります。
ただし、急な坂などはありませんので、スニーカー程度の装備で問題ありません。
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さて、今回は南側から入ってみました。
野津田高校入口信号付近から県道の脇にあるスロープと言える坂を上がって、北西へと丘陵の中に延びる小道を進みます。
しばらくして切通しが見えてきました。
地元では乗越八幡跡と呼ばれている切通しのようです。
鎌倉古道の特徴ですね。この付近には、奥州古道も通っています。
素朴な道祖神も歴史の重みを感じます。
それにしても、時代劇での撮影なんかには非常に良い古道なのではないでしょうか?
町田から府中へと抜ける往還でして、その抑えとして小野路城を築いたのでしょう。
標高は120mですが、小野路の宿場で標高70mくらいですので、散策もそんなに苦にはなりません。
小野路城は別名を結道城(ゆいどう)とも言います。
結道とは、由井道の意味で「由井へ繋がる」から来ているとされているゆうです。
古道から上記写真の登り口へそれると、すぐに本丸です。
郭や土塁、空堀が残り、主郭には小さな社が建っています。
小山田有重が1171年~1174年に、小山田城(小山田館)の支城として築城したとされ、小山田重義が城主であったとされます。
ただ、小山田城と支城役割りと言うよりは、古い鎌倉街道沿いの抑えとして、街道沿いに小野路城を作ったのではと考えます。
土塁と思われるものもありました。
撮影したのは5月ですが、冬季に訪れると、遺構もわかりやすいと思います。
1476年に長尾景春の乱が起こると、小野路城は小山田城と共に扇谷・山内勢の拠点となったようです。
1477年、長尾勢が小山田城を陥落させた際に、小野路城も落城したと考えられています。
本丸から鎌倉古道に戻って、ちょい北側に進みますと「小町井戸」があります。
井戸と言うよりは、湧水が出ている池と言う感じです。
小野小町がこの水で目を洗ったら、眼病が治ったという伝説がありますが、現在は濁っています。
しかし、本当に雰囲気が良い所でして、鎌倉時代を堪能できるような自然が残された場所です。
東京都とは思えませんね。
割と谷もありまして要害とも言えますが、比較的なだらかな地形でして、戦国時代まで使用されていたのかは疑問が残ります。
谷戸は畑などが広がっていますが、散策するには非常に良い所ですよ。
途中には上記のような「バイオイトレ」も設置されていました。
ただ、道路と言うか、散策路の地図のような物はないので、分かりにくいです。
スマホでYahoo!地図を一生懸命見ながら歩いてみました。
これだけ良好に残っている旧鎌倉街道は、関東でも珍しいそうですよ。
上記は萬松寺さんです。
昭和20年5月23日には本町田でアメリカ空軍の空襲がありました。
そして、5月25日から26日にかけては森野、能ヶ谷や小野路でも空襲があり、小野路では萬松寺・田極保宅・田極満寿雄宅その他併せて11軒が焼夷弾により焼けたと言います。
こんな田舎でも空襲があったなんて、ビックリですね。
上記は、萬松寺付近から小野路城の山を望む風景です。
小野路城付近は、色々と古道も入り混じっておりまして、楽しそうです。
平成の時代にいると言うのを忘れされてくれる、鎌倉時代をまた楽しみたいと思わせる、非常に手軽に遠い昔を感じることができる小野路城でした。
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観光所要時間ですが、ざっと約60分くらい歩きました。
現在地と行き先を確認する為、スマホでのGPS地図が必須となります。
地図はYahoo!地図がわかりやすいです。
春から秋にかけては虫除けがあると良いです。
蚊に刺されました。
さて、車で訪問した場合の駐車場ですが、小野神社前交差点の東側付近にタイムズがあります。
私の場合は、野津田公園の出入口3(公園の西側)にある駐車場に止めて行きました。
あとは下記地図の道路の路肩が駐車禁止にはなっていませんので、止められますが、くれぐれも大型車(消防車)などの通行を妨げるような止め方はしないようにご注意願います。
唐木田駅の南側からは、奥州廃道(最も古い奥州古道)もあるようですので、今度、機会がありましたら歩いてみたいものです。
・小野路城主・小山田重義はこちら
・新選組に深く関係のある小野路の小島資料館はこちら
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