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オロンコ岩チャシ
北海道「知床国立公園」にある世界自然遺産・知床半島の温泉街がウトロ(宇登呂)です。
その北海道斜里町ウトロのランドマークにもなっているオロンコ岩は、ウトロ港にある高さ約60mの巨岩となります。
ウトロ崎とゴジラ岩の間にある岩山がオロンコ岩で、知床観光船に乗船するためのトンネルが通っています。
もともと、宇登呂には先住民族「オロッコ族」(Orokko=ウィルタ族)がいたそうで、シベリアのツングース系民族だと推定され、トナカイ牧畜や狩猟、漁労で生活していたようです。
急な階段を登っていく散策路が儲けられていますが、その階段の数は203段と言う事で、地元では「203高地」と呼ぶこともあるらしいです。
階段は、段差が結構高く、息が切れます。
一人が登る程度の広さなので、前から先客がいらしたら、どちらかが道を譲る必要があります。
オロンコ岩の頂上は平坦で散策路のようになっています。
眼下にはウトロ漁港と宇登呂の街、そして、知床半島の眺めが、見事なところでもあり、知床八景の一つにも数えられています。
オロンコ岩の頂上で発掘調査を行ったところ、土器や石器は見つかりませんでしたが、土を浅く掘り下げた炉の跡が発見されていることから、オロンコ岩チャシ(砦)とも呼ばれます。
ただし、いつ頃の時代かは不明です。
ウトロチャシ
なお、オロンコ岩チャシから少し南にあるチャシコツ崎(亀岩)には、アイヌのチャシ(砦)「ウトロチャシ」があり、オロンコ岩のオロッコ族とアイヌが対峙していたと言われています。
チャシコツ崎は、オホーツク海に突き出た岬で、宇登呂の温泉街から西へ2kmのところにあります。
高さは約48mで、三方は断崖であることから、アイヌ民族がチャシ(砦)「ウトロチャシ」を築いていました。
ウトロチャシのあった場所からは、約30の竪穴式住居址、およびオホーツク式土器が出土しています。
2005年(平成17年)には、このチャシコツ崎下のトビニタイ文化の遺跡(チャシコツ岬下B遺跡)から、擦文文化にはない「熊」を祀った痕跡が発見され、オホーツク文化からアイヌ文化が成立した経緯が解き明かされつつあるようです。
オホーツク文化にあった熊(クマ)崇拝は、トビニタイ文化を経由して、アイヌ文化にもたらされたとも推測できます。
そもそも、羅臼岳を有する知床(しれとこ)の語源は、アイヌ語で「シレトク(sir etok)」と言い、「地山の先、あるいは地山の突き出た所」を意味しています。
ウトロ(宇登呂)は、「ウトゥルチクシ (Uturu-ci-kus-i) 」であり、「その間を-我々が-通る-所」という意味です。
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こんな伝承もあります。
ある日、アイヌの酋長が人を集め、夜、こっそり海岸に打ち寄せている海草を
集めました。その海草でクジラの人形を作り、その人形に川から獲ってきた
魚をくくり付け海に浮かべました。夜が明け、鳥たちがクジラの人形に付いている
魚を食ペに集り、大騒さをしながら飛びかいました。
その光景を島の上から見ていたオロッコ族は、まんまと騙され
「それ、寄り鯨だ!!弱っているぞ!!」とロ々に喚声をあげ、島を降り船場へと
走って行きました。そのときです。岩かげに身をふせれていたアイヌ達は、
今がチャンスとオロッコ族を取り囲みあっと言う間に全威させてしまいました。
アイヌ人は平和主義だとずっと思っていたのですが、まぁ、和人同様に色々と争い事はあったようです。
念のため、記載しておきますが、知床半島は世界自然遺産となっていますが、知床半島のウトロ地区は、指定除外地域となります。
そのため、世界遺産の知床半島にあるチャシと言う表現にいたしておりまして、知床半島の世界自然遺産の中にあるとは記載していないことをご確認申し上げます。
エゾシカも温泉街を歩く姿を見かけるウトロは、カムイワッカ湯の滝や知床五湖を観光するための玄関口です。
下記の白い建物(漁協)の奥に見える岩は「ゴジラ岩」です。
ウトロへの行き方・アクセスですが、女満別空港からレンタカーだと1時間30分で、有料駐車場利用。
バスの場合、女満別空港から「知床エアポートライナー」で、2時間20分くらいです。
他にも札幌駅からのウトロに行く夜行バス(予約制)も運行されています。
また、バスで宇登呂にお越しいただいた場合、現地の定期観光バスで知床五胡などを巡ることも可能です。
オロンコ岩チャシへは、ウトロ・バスターミナルから徒歩5分、または、道の駅うとろ・シリエトクのバス停から徒歩6分くらいです。
オロンコ岩の登り口に、10台ほどの無料駐車場とトレイが完備されていますが、場所がちょっとわかりにくいので、当方の北海道オリジナル地図をご参照願えますと幸いです。
・津軽藩士シャリ陣屋と津軽藩士殉難事件
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